多様性を認める

さて。思うところありまして、通じる人にだけ通じればよいという意図で書きます。

たとえ相手も同じコストを支払っていて、自分と同等の権利を持っていても、それでも自分の権利を侵害されるのはガマンがならない、そしてそれをその場で解決せずに後に持ち越してわざわざたくさん人がいる場でクレームにするという人は、きっと多いのでしょう。

朝の通勤ラッシュで子どもが騒いだからと、「みんなこれから仕事に行くんですよ」と言って無理やりその親子を降車させたOLさんの話も、ちょっと前にあったっけ。

このブログのライフログにも載せている、わたくしが密かに人生の師匠と仰ぐ清好延さんの著書「インド商人ならこう考えます」というビジネス書に、

およそ人間同士のやりとりでありうるトラブルは、とにかく目の前の人を説得すればたいていは解決するものだ。

という一節があるのだけど、わたしの印象では、これができない(むしろ、しないことを「よし」とする)人が日本にはものすごく多い。

いま、その場で、目の前にいる人に、ちょっと声をかけて意思の疎通を図る。

ということを、陰で別の人に言うとか、何か別の、ええ話やなーとみんなが思っている場で水を差してみるとか、いずれにしろマズいやり方で自分の思いを遂げようとする、という場面に、何度遭遇したことか。


先の通勤ラッシュのOLさんは、確かに目の前の親子に直接掛け合ったわけだけど、それは果たして双方恥をかかないうまいやり方だったのか。否、でしょう。

他の国は知らないけど、インド人とイギリス人はこういうのがものすごくうまい人が多い。言うほうも言われたほうも、どちらも気まずくならないように自分の気持ちを伝え、相手にも配慮し、よし分かったじゃあこうしよう、と落ち着く。クレームはその場で言わないと意味がないことも、冷静に中立に伝えないと逆に自分も相手や周囲の人のクレームの対象になることも、よく分かっている。

日本なんて国がいつまで存亡できるか分からないけど、アジアの勢いのある国々の労働力がどんどん入ってきて、これからもっともっとたくさんの価値観のなかで生きていかざるを得なくなると思うんだよね。目の前の人を説得して解決を図る代わりに別の誰かに訴えて溜飲を下げる、みたいなやり方が、いつまでもつんだろう。そういうやり方で人生を運営していって、その人は一体なにを得られるというのだろう。だいたい、、反論できる立場にない人に訴えるのってすでにアンフェアだよね、金銭の授受があったとしても営利目的ではない場合は特に。

(ものすごく偏った余談)日本なんてアメリカの属国になって白人の治世で万事進められて、馬鹿にしているアジア各国の、実はもっとずっと優秀な人々にどんどん重要な地位を奪われて、ナニクソ、クヤシイゾ、ヤマトダマシイ見セテヤル、みたいなの、もう一度体験したほうがいいと思うね、マジで(余談終わり)

幸いなことに、言わなくても通じる日本的な以心伝心なんてものは、多様性を絵に描いたようなわたしの職場ではまずあり得ない。
「言わないことは存在しないこと」というグローバルスタンダードは、決して悪いもんではないよ。なぜなら「話せば分かる」というのはだいたいのところは本当で、文句を言いあっているうちに問題が解決されたりプロジェクトが進んで行ったりするから。冒頭の「言っても分からない人には分からない」という言葉と矛盾するようだけど、100%理解しあえなくても、仮に50%程度であっても、問題を解決することはできるもんです、お互いを認めるという努力のもとに(これをさせないように、一部の利益を握りたい人々がその他一般の人々を利用するのが戦争だと私は思う)。わたしのような非国民(笑)には、そのとき労を割いて相手とやりとりすることのほうが、腹のさぐり合いで疲れるよりはずっとマシだ。

……というわたくしの、「おまえなんて半分ガイジンじゃ、すぐ『日本人は~』とか知ったかぶって語りやがって」とでも言われそうな、とある憤りをですね、ある人は、思わず恐れ入ってしまうぐらいの徹底した、「わたくしが至りませんで」という姿勢で対応したのよ。

すごいよ。全てを飲み込んで、毒を食らわば皿までみたいな、クレームつけた相手が矮小に思えてしまうような、そんなやり方があったのね。有無を言わさぬ迫力だった、わたしには絶対できない、尊敬する。以上。

文句がある人は前に出るように(笑)。
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by masala_days | 2010-09-22 00:48


20代の暗黒時代をインドとイギリスその他あちこち季節移動し続け、30代、やっと日本国で社会復帰。8か月の産育休を経て、現在、働くかあちゃん。オットの不在中に衝動買いしたマンションの借金返済に勤しむ


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