バンコク旅日記(Kさんごめんタイトル無断借用)

今回、バンコクの定宿で、知り合いにふたり、会った。
ふたりとも数年前からちょくちょくバンコクに長期滞在しては
国に戻るという、わたしと似たような生活をしてきた人たちで、
しばらくぶりに元気そうな顔を見て、うれしゅうございました。

お互い、「なんかいつまでも同じようなことしてるよね」などと
苦笑しつつ、夜更けまで話す。

ひとりはイギリス北部出身の、ヨーガとか合気道とか菜食主義とか、
ようするにそっち系に傾倒している若い子で、夏前まで日本の広島で
合気道の修行をしていたとか言っていた。
彼とは私がイギリスに何の興味もないころからの知り合いで、
「しばらく会わないうちに、どうしたんだその嫌味なまでにブリティッシュな
アクセントは」と驚かれてしまった。まあ無理もない。最初に会ったときは
わたし、バリバリのインド英語だったから(笑)。

もうひとりはケベック出身のフランス語使いカナダ人。
彼はもうずいぶん長いこと大学で熱帯の森林破壊とかなんとか、
小難しい研究をしている人。バンコクは毎年夏に必ず来て、資料を集めたり、
地元の大学に顔を出したりしている。童顔にメガネでちょっと小太り、
髪の毛後退気味、というところが何気にうちの先生に似ていて、
ひさしぶりに会ったら意味もなくドキドキしてしまった。
なんででしょうね、わたしはどうも、「一見冴えないタイプ」に弱いようだ(笑)。
一緒に外に出かけると、これはもう例外なく、必ずや、
レストランのウェイトレスなりトゥクトゥクの運転手なり、誰もが私を彼の
「プロフェッショナル・ガールフレンド」として扱い、
よって彼も「いつもはモテないけどタイではハッピー」という、
まぬけ男の役割を演じさせられるはめになって、じつに気の毒である。
ちゃんとケベックにこれまたアカデミック系の彼女がいるんですってばあ。
それに彼は話は面白いし、とっても賢い人だと思うのだけど、
私のバカな話にも付き合ってくれるし、ひけらかさないところなんか、
本当に素敵な人ですとも、ええ(なぜか力説)。

今日はカオサンでひょんなことでいただいた食べ物系の取材を軽くこなす。
いつも思うのだけど、好きで食べている時は楽しいのに、取材となると
やっぱりきつい。写真だけ撮らせてもらって「じゃ」と言えないわたしは、
ついつい全部買って全部自分で味見することになるので、いくらお腹が丈夫でも、
最後はやっぱり「もうタイ料理見たくねえ」。突然、イングリッシュ・ブレックファストとかが
食べたくなる(それだけはないと思ってたのに!)。

バーミー・ナム(ラーメン)を食べていたら隣にオーストラリア人とおぼしき若い(推定22歳)
ファラン(西洋人)とタイ人女子の、みるからに「ビジネスです」というカップルが座る。
女の子の「おなかが空いた」という要求にこたえて小休止、というところだ。

女の子、バーミーを注文。普通タイ人女子って苛々するくらいまずそうに、
おしとやかにものを食べるはずなのに、彼女、よほど空腹とみえてけっこう意地汚し。
「あんたも食べる?」などと一応は男の方に丼を差し出したりはするのだが、男は男で、
「そんな辛いもん、食べられないよ」などとあからさまに嫌な顔をして断っている。
(そういうところがファラン男の評価を下げるのだ、目の前にいる女の子にかりそめでも
愛情があるのなら、辛そうでもゲテモノでも、とりあえず食べてみるのが礼儀というもの。
このへんに、自分の経験と照らし合わせても、ファラン男と東洋女との
埋まらない深い溝を感じますね)

そこへ、女の子の携帯が鳴る。
「誰? あんたなんか知らないわよ。電話しないでよね」
素っ気なく言って切る。
携帯、また鳴る。
「なんなのよ。あんた誰よ」
また切る。
男、心からうんざりしたように、「君っていつもそんな電話ばかりかかってくるよね」。
女の子、憮然として「そんなこと知らない。ぜんぜん知らない人からの電話」とうそぶく。

険悪な雰囲気。とりあえず女の子、バーミーを食べ終わる。
男、「で、君、お金払ったんだっけ?」(このくらい自分で払えよな>心の声)
女の子、英語で屋台のおばちゃんに「ハウマッチ?」と大声で聞く(屋台くらい奢れ>心の声)。
屋台のおばちゃん、英語で「20バーツ」(客は大事だけど女の子は大嫌い>心の声)
男、しぶしぶ20バーツ札を出す。
女の子、打って変わってにこやかに、「さ、行きましょ(はぁと)」。

ええ、一部始終を見ていたわたし、性格悪いですねー。

それにしても、巷のタイ女子はもっと可愛さを装い、媚を駆使し、
あの手この手で最大限の金を引き出すものだというのに、この女の子は、なんつーか、
商売が下手というか、よっぽど虫の居所が悪かったのか、そんなんじゃ男も
興ざめするぜ、という態度で、見てるこっちがハラハラしてしまった。

男も男で、「金払ったんだから元は取りたい」という若い男らしいムラムラが滲み出ていて、
けれどその女の子のことなんかこれっぽっちも好きじゃない、という様子もまたありありで、
なんつーか、不毛ですよね。

でも、若気の至りと「アジア女への純粋な好奇心」で女を買うファラン男と、
可愛げの欠片もなくてふてぶてしいタイ人女子の組み合わせのほうが、
見ていて楽しくはないものの、老人とギャルの組み合わせよりも100万倍ホッとする。

「バンコク・ポスト」(新聞です)なんかを黙々と読んでコーヒーを飲む老人の傍らで
手持ち無沙汰に、つまんなそうに遠くを見ている孫ほどの年齢のギャル、
というのはよくある図だけど、それと比べると、この即席カップルの方が、
なんかまだ人間同士の付き合いをしているというか、健全さを感じて、
「あーあ」と思いながらも、ほっとける気がするのだ。

女の携帯がひっきりなしに鳴るのを気にする若い男。
ふてくされながらも言い訳をする女。
なんか、救いがあるでしょ。

……などと思ってしまう私は、やっぱりちょっとオバサン乙女なのかしらねー。
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by masala_days | 2005-08-06 20:09 | 旅なんちゃって


20代の暗黒時代をインドとイギリスその他あちこち季節移動し続け、30代、やっと日本国で社会復帰。8か月の産育休を経て、現在、働くかあちゃん。オットの不在中に衝動買いしたマンションの借金返済に勤しむ


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