ラダックより情報が早い

書き込み続き。

今朝のニュースでパキスタンの大地震が伝えられた。
「インド北部カシミール地方でも」という解説に、いてもたってもいられず、
ラダックのレーにいる友人一家に電話した。
地理的にはだいぶ離れているけど、わたしが知っているラダック人のなかには、
わりと頻繁にカシミール方面へ出かける人もいたからだ。

電話はあっけないほどすぐつながって、わたしが
「ジュ、ジュレー(ラダック語で「こんにちわ」)」のあとに何と続けていいものか、
長男と長女以外は英語がほとんど通じないので、なんとか乏しいヒンディー語で
用件を伝えようとしたら、電話口にいたのは、「あれ、どこにいるの、今」と、
レー近郊のティクセにお嫁にいったはずの長女だった。

「今ねえー、お兄ちゃんのお祝いがあるから里帰り中でねー、準備がいろいろ忙しいのよー」
とのんびり答える長女ヤンチェン。
「あのねー、今ニュースでカシミール地方でも地震の被害拡大っていってるんだけど」
「え、なんのことー? 地震ってどこであったの?」
と彼女、地震のニュースなんてまったく知らない模様。

こういうことは以前にもあった。カシミール方面でテロがあったり、実戦があったりして、
安否を確認するためにメールを出したところ、ころはちょうどサッカーのワールドカップで、
衛星放送で試合をみていたラダック人の友人は、「日本のイナモト、すごいねえー」
とのんきな返事を書いてきた。

国際電話があっというまにつながって、衛星放送を見られるラダックと、
ほんの目と鼻の先で起きている大地震のニュースすら届かないラダックと、
ほんとうに同じラダックなのか、と思う。

陸路で行くと分かるけど、ラダックってすごい辺境なんだよ。
ヒマラヤ山脈の荒涼とした景色のなかを延々と地を這うように移動して、
やっと辿りつけるとこなんだよ。
それでも、飛行機に乗ってしまえば一時間ちょっとでデリーにつく。
その一時間に「ここで落ちるのだけは嫌だ」というような険しい山々の、
美しいけれども空恐ろしい景色の中を飛ぶのだ。

あの一時間のあいだ、ビルがうごめく東京と、真っ白な山々しかない下界の景色と、
バナーラスのすすけた景色が交互に頭に浮かんで、それらが同じ地球上に
存在していることがたまらなく不思議に思える。

知らないから呑気でいられるということもあるよね。
知人が死んでも、その情報がなかったから平気でいられる。
時間差をもって伝えられると、思ったよりもあっさり乗り越えられるものだ。

なんにしても、被害が極力少ないことを祈ります。
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by masala_days | 2005-10-09 00:11 | インド話


20代の暗黒時代をインドとイギリスその他あちこち季節移動し続け、30代、やっと日本国で社会復帰。8か月の産育休を経て、現在、働くかあちゃん。オットの不在中に衝動買いしたマンションの借金返済に勤しむ


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