カテゴリ:出張料理人修行( 1 )

出張料理人修行その1

c0036998_22235.jpgイギリスの外食事情はほんとに悪い。うんと立派なレストランに行けばそれなりに満足できるのだろうが、特別なイベントでもない限り、あるいはうーんとお金持ちでもない限り、そんなレストランには気軽に行けない。で、よくあるのが、「なんでこんなもんに10ポンド(約2000円)も払わなきゃならんのだ???」という、ぶつけようのない怒りである。

きっかけはある知人の言葉。
「実費と手数料払うから、友達来るときとか、料理してくれへん?」
みんなテキトーなチャイニーズとかコリアンの外食には飽き飽きしている、という。同じ10ポンド払うなら、おいしいものに払いたい、という。

というわけで、ぶっちぎりアマチュア出張料理人で小銭を稼ごうと思い立ち。どうせならきっちり金取りたい。金取るならまともなものを出したい。料理は好きだがヒトサマから金を取るにはあまりにお粗末な己の腕を磨くため(というかまあ仲間内の集まりのついでに、なんだけど)、昨日、友人宅でインド料理大会を開催いたしました。

[お品書き]
1)ムスリム風チキンカレー
2)アルゴビいんげん
3)チャパティ

4)パプリカとカリフラワーのサンバル
5)鮭のココナツカレー
6)ギーライス

例によって例のごとく、アルゴビいんげん以外はぜんぶ渡辺玲さんのレシピ。
1~3が北インド風で、4~6が南インド風。
「肉と魚が入って、汁系とドライ系があり、万人受けしそうなもの」、んでもって
私がひとまず作り慣れているもの、を基準にしたら、このメニュー構成になった。
南インド部門にドライ系を入れたかったが、あいにくレパートリーがない。

対象は6名。
乳鉢とかマイナイフ(包丁すら持っていないテイタラク)、ふきん、エプロン、
スパイス全種を小さなスーツケースに詰めてがらがら引いていく。
今回は友人の集まりなので、みんなでスーパーに寄って材料を買い、
うちふたりが一緒にキッチンに立ってヘルプしてくれた。
みじん切りとかスパイス潰しとか肉の下ごしらえとか、苦手なものを全部
やっていただいて非常に楽でした。ありがとう!

が、作り出してから全品出し終わるまでに3時間かかった。
これはちょっとビジネスにするときは長すぎるよな。
時間を短縮するポイントをもっと絞り込まねば。

野菜や何かをわたしが用意していくと、けっこうな荷物になってツライので、
それは現地調達ということにしよう。野菜はいったん切っちゃうと数時間もたないしな。

サンバルのトゥーラン・ダルだけは事前に煮ていったのだが、
たとえばニンニクとしょうがのすり下ろしとか、玉ねぎのみじん切りとか、
サンバル・パウダーの調合とか、そんなものも用意しておけばよかった。
あと料理ごとに使うスパイスをあらかじめ分量ずつセットにして
分けておけばよかった。

情けないことに、何度つくってもレシピを見ないと手順やスパイスが
ごっちゃになって分からなくなってしまう。何品か同時進行の時はなおさらだ。
(ピアノを習っていた時、どんなにお気に入りの曲でも、
いつまで経っても譜面なしで弾けるようにならなかったことを思い出した)

でも金取るのに本を見ていたのではあんまり情けないので、
今度やるときは、きっちり内緒の進行表を用意していってやることにしよう。
そんなのも数をこなせばいずれ頭を使わずしてできるようになるだろう。
ま、そうなるまでは金とれねー(儲けるつもりだったのにヘンなとこで真面目なのさ)。

しかし昨日は、友人が友人を呼び、6名のはずが最終的に11名にふくれあがり、
一品出すたびあっという間になくなるので、けっこうヒヤヒヤものでした。
苦肉の策として、最初はいっぺんに出そうと思ってたメニューを、

1)前菜(っていうか間もたせ)→アルゴビいんげん
2)サンバルとギーライス
3)チキンカレーとチャパティ
4)鮭カレーと再びギーライス

という順番で、安い野菜ものから出していって、一番高~い鮭はラストという、
ものすごいみみっちい出し方をしてしまった。だってほんとにどう見ても足りなかったんだもん。
いやー時間は無意味に経つし材料足りないし、横からあれこれ口挟んでくる人はいるし、
テンパってましたねー。あらためて、プロの料理人ってすごい。

「インド料理とかスパイスもの嫌い」というイタリア人のプロのシェフがいて、
私がキッチンで作業をしている間、けっこう長い間、横で眺めていて、
内心、「あんたは向こうへ行っててくれーーー」などと思っていました。
花のアマチュアだからね、野菜の切り方とかスパパパパパーンとはいかないのよ(泣)。

でもあんなに嫌いだっていってたのに、その彼が気づいたらチキンカレーや
鮭カレーをパクパク食べていてびっくり。あなたが嫌いだとあれほど主張した
クミンシードとかがんがん入ってるんですがーー。
「君のボーイフレンドになる人はラッキーだねー」とお褒めの言葉をいただき、
大変うれしゅうございました。
スローフード命のイタリア人には、スパイスごりごりからやってるカレーは受けたと見える。

イタリア人けっこう好きかも(単純)。
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by masala_days | 2005-10-30 22:13 | 出張料理人修行


20代の暗黒時代をインドとイギリスその他あちこち季節移動し続け、30代、やっと日本国で社会復帰。8か月の産育休を経て、現在、働くかあちゃん。オットの不在中に衝動買いしたマンションの借金返済に勤しむ


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