ひさびさの料理写真だ!

引越し先のフラット、台所がけっこう広めで、あいかわらず食にだけは執念を燃やす
私は、暇があればあるだけ閉じこもっています。

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サバのトマトとココナツ煮込み。
レシピは特にない。すんごい適当につくったが、
インド料理修行をはじめてから早一年ほど、
それなりに勘が養われてきたらしく、なかなかうまい。

しかしサバ、物価高のロンドンにあっていつも安くておいしくて、
なんて素晴らしい魚なんだ! 
大きなサバ2尾で1.7ポンド(340円くらい)だったけど、
サーモンとか軽く倍はするので、ほんとに割安感がある。
えらいなあサバは。
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# by masala_days | 2005-10-22 08:08 | イギリス話

ああ、文明開化の音がする……。

苦節1ヶ月、やっと引越し先の新フラットにブロードバンドがつながりました。
インターネットがないって、ないって、ないって、なんて不便なのだと実感した1ヶ月でした。
インドだったらあちこちにインターネット屋があって、しかも安いのに! とか、
言ってもしかたがない文句を言い続けた1ヶ月でもありました。

ところで、プロバイダーから本当はモデムやらなにやら送られてくるはずなのに、
それはまだ未着です。
とにかくこの、晴れて接続に至るまでは不可解なことが山積みでした。はあ。

ワイヤレスの設定で手間取って数時間に渡って格闘していたのだけど、
それもあちこちいじっているうちに解決。つながったぞ!
うれしい。

というわけで、これでまたブログも更新できるというものです。
乞うご期待! (本当に精根尽き果てたわよもう……)。
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# by masala_days | 2005-10-21 08:34 | イギリス話

ラダックより情報が早い

書き込み続き。

今朝のニュースでパキスタンの大地震が伝えられた。
「インド北部カシミール地方でも」という解説に、いてもたってもいられず、
ラダックのレーにいる友人一家に電話した。
地理的にはだいぶ離れているけど、わたしが知っているラダック人のなかには、
わりと頻繁にカシミール方面へ出かける人もいたからだ。

電話はあっけないほどすぐつながって、わたしが
「ジュ、ジュレー(ラダック語で「こんにちわ」)」のあとに何と続けていいものか、
長男と長女以外は英語がほとんど通じないので、なんとか乏しいヒンディー語で
用件を伝えようとしたら、電話口にいたのは、「あれ、どこにいるの、今」と、
レー近郊のティクセにお嫁にいったはずの長女だった。

「今ねえー、お兄ちゃんのお祝いがあるから里帰り中でねー、準備がいろいろ忙しいのよー」
とのんびり答える長女ヤンチェン。
「あのねー、今ニュースでカシミール地方でも地震の被害拡大っていってるんだけど」
「え、なんのことー? 地震ってどこであったの?」
と彼女、地震のニュースなんてまったく知らない模様。

こういうことは以前にもあった。カシミール方面でテロがあったり、実戦があったりして、
安否を確認するためにメールを出したところ、ころはちょうどサッカーのワールドカップで、
衛星放送で試合をみていたラダック人の友人は、「日本のイナモト、すごいねえー」
とのんきな返事を書いてきた。

国際電話があっというまにつながって、衛星放送を見られるラダックと、
ほんの目と鼻の先で起きている大地震のニュースすら届かないラダックと、
ほんとうに同じラダックなのか、と思う。

陸路で行くと分かるけど、ラダックってすごい辺境なんだよ。
ヒマラヤ山脈の荒涼とした景色のなかを延々と地を這うように移動して、
やっと辿りつけるとこなんだよ。
それでも、飛行機に乗ってしまえば一時間ちょっとでデリーにつく。
その一時間に「ここで落ちるのだけは嫌だ」というような険しい山々の、
美しいけれども空恐ろしい景色の中を飛ぶのだ。

あの一時間のあいだ、ビルがうごめく東京と、真っ白な山々しかない下界の景色と、
バナーラスのすすけた景色が交互に頭に浮かんで、それらが同じ地球上に
存在していることがたまらなく不思議に思える。

知らないから呑気でいられるということもあるよね。
知人が死んでも、その情報がなかったから平気でいられる。
時間差をもって伝えられると、思ったよりもあっさり乗り越えられるものだ。

なんにしても、被害が極力少ないことを祈ります。
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# by masala_days | 2005-10-09 00:11 | インド話

学生アゲインですよ

いやはや、気がつけば前回の更新から一ヶ月以上も経っていました。
ロンドン郊外に引っ越したんですけどね、新フラットにインターネットがこないんですよ、
これがアナタなかなか……。

で、近くのインターネット屋でも、と思いきや最近開発され始めたエリアなので、駅の周りに
見事に何もない。ショッピングセンターと名のつく建物があるにはあれども、たいしたテナントは
入っていない。

という島流しのような状況で、おまけに日本語教師養成課程も始まり、あれやこれやと
時間が過ぎてしまいました。アクセス数すらチェックしてなかったんだけど、
毎日見に来てくれていた方々が、いらっしゃるんですねー、どーもすいませんでした。

さて学生生活アゲイン。今まで正式に持ってなかった銀行の口座を開設しようということで、
手続きに走り回りました。銀行口座、日本で日本人が開くのなんてものの30分で
完了するのに、イギリスで外国人、それも収入がない学生の身分で開くの、けっこう大変なのです。

去年はそれでもなんとかやり過ごしたのだけど、色々不便でそろそろそういうわけにもいかん。
書類ゲットからめでたくカードを受け取るまで鬼のように時間がかかりました。
それも、英国生活必須ともいえる小切手もデビット機能も使えない、給料とか送金受け取りだけ可能な、最低ランクの口座ですよ……。

定職があるわけでもない、ただの学生って、ほんとになんつーか、身分が低い。

ところで、カードの受け取りに行き違いがあって、配達会社に電話しました。
日本でもそうなってきてるけど、こちらも生身のオペレーターにつながるまでに、
質問に答えて、番号を入力して、数々の関門を潜り抜けねばなりません。
で、あまりにも何度も番号の認識ミスをするので、やっと「この番号で合っていますか」
と機械が答えた暁には、おもわず「イエス、イエス、イエース!」と叫んでしまったんです、ええ。

そしたらね、機械がひと言、
「イエスは一度だけ言ってください」。

機械に怒られちゃったよ、まったくよう、機械相手にカーーーーッって感じだよぅ。
おまけにやっとつながったオペレーターも分からんちんの慇懃無礼の無能で無愛想な
人で、受話器を持つ手が思わずわなわなと震えましたがな。

友人はインターネットで何かの申し込みをするときによく出てくる、
「ご利用規約」の画面が出てきてから、すぐに「同意します」のボタンを押したら、
「ちゃんと読んでください」というポップアップが出てきた、といっていた。

なんつーか、機械にいろいろ指示されるのって、いやよねー。
電子レンジの音とか、電車が発車しますのアナウンスも嫌いだ。

そんなわけで、元気でやってます。インターネット屋に自分のコンピュータを持ち込んで
つないでいるのですが、電池が切れそうなのでこの辺で。
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# by masala_days | 2005-10-08 23:46 | イギリス話

棺の上のベリーに、ガンガーの魚を思う

さて相変わらずドタバタとしながらロンドンに戻りました。

変わったこと……、うーん、わたしが来るなり冷夏だったロンドンが
急に暑くなったことでしょうか。涼しいと期待してきたのに、
東京に引き続いてまたまた汗かきかきの日々です。
ま、東京の酷暑に比べると、いくら陽射しが強いとは言っても知れてますが。
(とか言ってたら、せっかくレーザー治療してポロリと剥がれたシミが
即効で濃くなってきた! ガッデム! 高かったのにーーーーー!)

ところで、一時帰国中にOくんという人に会いました。
密かに「Cool!」と思っているんですけど(読んでる~?)、
渡英の数日前に会ったとき、彼が「昨日、某海沿いの街に行ってきた。
ウニ拾って海岸で食べた」という話をしていて、わたしは
「なんで誘ってくれなかったの!!!!!」と理由なく憤慨していたのでした。

その後、わたしの頭はずっと「ウニ、ウニ、ウニ」で占拠されていて、
けっこうずっと「わたしも行きたかったのに」とOくんを恨んでいた。
もちろん、彼にはなんの咎もないのだが……。

でねでね、渡英後の日曜日ね、うちの先生と近くの霊園に行ったのね。
墓場でデートって、日本的に考えるとどうかと思うのだけど、
まあそこはロンドン。ステキなデザインの墓石が並ぶ、ちょっとした
公園みたいな場所で、本とかおやつとか持って天気のいい日によく行くのだ。

この日も散歩がてら、読みたかった本などを小脇に抱えて出かけたの。
と、目に入るは、ブラックベリーの茂みがあちらこちらに!

↓こうゆうのです↓
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日本でベリー類ってあまり馴染みがないというか、おしゃれ系のスーパーで
いい値で売っている高級果物、という感じがするのだけど、
そうだ、イギリスでは堂々とそこらへんに自生しているのだった!

それを知ったのは、もうずいぶん昔のことのような気がうする。
当時、夫(になるはずだった)人のお母さんが住むロンドン郊外の丘に
連れていかれたときだ。高速道路のすぐそばにある鬱蒼とした森の中を
たっぷり1時間、藪をかきわけ歩いて登った先に、秘密の場所があった。
彼と母親が、20年近く前から誰にも教えずに、毎年夏になると
ブラックベリーをつみにきた場所だった。

下界でもあちこちに生えていて、形状さえ知っていればすぐに
目につく茂みなのだけど、それだけに、季節になるとタッパーを
抱えた老若男女が真剣な表情で住宅街の茂みに身をかがめて収穫
したりしている。銀杏拾いにちょっと似た風情があるかも。

この内緒の場所では、ベリーたちは犬のおしっこにも車の排気ガスにも
汚染されておらず、おまけに誰も取りに来ないから、いつ行っても
プリプリしたうまそうな実がいくらでも生っていた。
軍手と運動靴と長袖シャツで完全武装して、収穫してるんだか
つまみ食いしてるんだか分からんようなベリー狩りを楽しんだものだ。

その人とはすでに縁がなくなってしまったので、あの丘には今年は
行けないなあ、残念だなあ、と諦めていた。
マジで山奥の秘境にあったから、ひとりじゃ絶対に辿り着けないのだ。
つみたてのブラックベリーをてんこ盛りに入れて
つくるパイは、鮮やかな紫色が贅沢で、本当にうまかった。

だから今年、ロンドンの短い夏の終わりに酷暑の東京から滑り込んで、
思いがけずあのブラックベリーを発見したわたしは、興奮したね。
手元にあったスーパーの袋にありったけ詰め込んだ。

ブラックベリーの枝には細かいトゲがいっぱいあって、ちょっと気を緩めると
手が傷だらけになる。墓場デートのつもりで、装備なんかしてなかったわたし、
案の定、思い切り傷だらけだった。うちの先生はなんでわたしがそこまで
ベリーにこだわるのかイマイチ理解できないらしく、なかば呆れ顔で、
本なんか読んでる。

お金出して買わないといけないものを自力で収穫するってとこに、
燃えるわけですよ、都会っ子のわたしは。
とりあえず、Oくんがウニとりに連れて行ってくれなかった恨みは
これでなんとなく晴らされた気がする。ウニのほうが高そうだけど。

ところで、ベリーの茂みは、思い切りヒトサマの墓石の上にあった。
これってちょっと、ガンジス河でとれた魚みたいな感じだよな、なんて思った。

ご存知、バナーラスでは、荼毘に付した遺灰を流したすぐそこで、
洗濯したり、釣りをしたりしている。火葬にせず、水葬にされる遺体も多い。
だから、さまざまな有機物を食べて育ったのであろう、
よく太った魚がバナーラスの市場で売られているのを見るたび、
「あれだけはよう食わん」と思っていた。

が、ある時、アキオくんの知り合いのインド人のお母さんが料理してくれた
ガンガー魚カレーを目の前にしたらあまりにうまそうで、ついつい手を出し、
予想に違わず極上の味に痺れて、アキオくんと奪い合って完食してしまった。

だから棺の上のブラックベリーなんて、どうってことないのだ。
しこたま収穫してきたベリーは、お砂糖とライムと生姜で煮て、ジャムにした。
オーブンがあったらパイを焼いたんだけどな。

夏の終わりの、そろそろ秋支度の茂みからは、小ぶりの痩せた実しかとれなかった。

あの秘密の丘の、丸々と立派なベリーとは雲泥の差だ。
それでも、間に合ってよかった、と思う。
忘れてた夏休みの宿題をひとつクリアした、みたいな気分だった。

このベリージャム、生姜汁を入れるのはわたし的なイギリス風アレンジだ。
甘酸っぱい中にピリリと効いていて、まるきり、ベリーの思い出そのものの味。

……つうのは、やっぱ、ちょっとデキスギっすかねー。あはは。
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# by masala_days | 2005-09-09 07:23 | 旅なんちゃって

しまった……。

日本滞在も残り少ないというのに、当初食いだめしておこうと思っていた
日本的な食事をほとんどしてない。豆腐とか納豆とか干物とか。
イギリスでも買えるけど、高いものね。

ああ、さんまだけは食べていこう。
あと釜揚げシラスとハマグリも。あああ刺身もほとんど食ってないじゃないかー。
お腹がもうひとつくらい欲しいぜ。

なにを食べてるかというと、あいも変わらずインド料理である。
なんでわたしの食生活はこうもスパイス臭くなっちまったのだろーか。
とは思うものの、理由は分かっている。

スパイスが効く、からだ。
体力のないわたしは東京の夏にすっかりヤラれ、夏バテもバテよー、ぐったりよ。
おまけに先日、もののはずみで知り合いの知り合いの2歳児と本気で
遊んでしまい、たぶんそのせいで腰もいわして、身体中痛くて動けない。
たいへん情けのうございます。

で、自分でつくった野菜たっぷりのインド料理だけは食べられるし、
すんでのところでぶっ倒れるのを阻止してくれている気がするのよ。
偉大なりインド料理。

先日、ふとハンバーガーが食べたくなって、
ほんとはクアアイナのハワイアンなハンバーガーがいいんだけど
そこまで行く気力がなくて、モスバーガーで妥協した。

モスはおいしいよね。わたしゃーファストフードはここ数年、ほとんど
口にしていないけど、モスはおいしいなあ、と思う。
クアアイナはもっとおいしいけど(しつこい)。

だけど、である。
なんだーー、あのフライドポテトはぁー。

紙袋にちんまり入ったフライドポテトを見て、わたし、思わず暴れそうになりました。
イギリスだったら、「これでもか」とてんこ盛りになっていてしかるべきフライドポテトが、
ほんのちょっとしか入ってないじゃないか。

ところでフライドポテトはアメリカ英語で、イギリスでは「チップス」という。
ちなみにアメリカ英語のポテトチップスのほうは「クリスプス」という。
ややこしい。日本語で外来語を使うとき、イギリスだろうがアメリカだろうが
ドイツ語だろうがフランス語だろうがゴッチャだから、すごい迷うよ。

それはいいとして、イギリスの「チップス山盛り」に慣れ親しんだ身に、
モスバーガーのフライドポテトはものすごくみみっちく、しみったれて見えた。
ま、イギリスのチップスはどっちかってぇと「盛りすぎ」で、全部食べると
胸焼けするわデブ街道まっしぐらだわで全然いいことないんだけどさ、
あの量に、「さぁさぁ、安飯だけど、せめて腹いっぱい食べなさいよ」的な
イギリス文化のビンボー人への優しさを感じるのであーる。

でも日本は価格に見合った外食がいっぱいあって、それはそれですごく幸せ。
ファミリー・レストランとかもすごいよ、安いしなんでもあるし。
そりゃまー、そういう店はたいしてうまくないけど、納得できる価格が多い。

イギリスなんて、持ち帰りの中国料理店のほとんど具がない
やきそばだけで800円とか平気でするもんね。
あれさー、量を半分にして値段も半分にならないかといつも思う。

こないだ行った渋谷の讃岐うどんのお店「やしま」でもそう思った。
「やしま」は数年前、讃岐うどんに凝っていた時に何回か行ったことがあるんだけど、
すっごい量が多いということを忘れて生醤油うどんを頼んでしまった。

あれってさ、ようは白いごはんをひたすら醤油で食べる、みたいな感じで、
いくらおいしくても、入る量には限界がある。
それも、以前はものすごくうまく感じたうどん、今回はメチャ空腹だったにもかかわらず、
なんかイマイチ寝ぼけた印象で「あれれ????」。
コシだと思っていたのがただ「固い、ゆで足りない」だけに思えてしかたがなかった。
なんでだろなーーー。

おばさんのゆるゆるした語り口の接客は、相変わらずいい感じなんだけどなー。
地下のお店はまず入らないわたしが、けっこう唯一という勢いで行っていたわりには、
ちょっと肩透かしをくらった気分だ。おかしいなあーーー。
女性客はわたししかいなくて、ツウっぽいおじさんと業界っぽいお兄さんばかりの中、
なんか居心地悪かったし。「ギャルはどこだ、ギャルはー」と叫びたかったです。

とりあえずサンマだけは食べよう。
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# by masala_days | 2005-08-24 01:25 | 日本の夏、東京の夏

東京熱帯化

本日は千葉県某所まで出かけて、フリーマーケットに参加。
ずーーーっとやりたいなあ、と思っていたのに荷物を運ぶのが嫌で月日が過ぎ行き、
今回はやっと車を出してくれるという優しい人がいたので、それに便乗した。

もう何年も押入れに眠っていた怪しいヒッピー服などを売って
小遣い稼ぎを、と目論んだものの、売り上げは1450円。
高速代とガソリン代と出店料を払ったらギリギリでプラスマイナスゼロくらいだ。

雲ひとつない快晴の中、割り当てられた場所が超日当たりのいい日向。
農作業中のおばちゃんのような姿でダラダラ汗をかいたわりに、
売り上げがショボくていけない。まー、フリーマーケットなんてものは、
売り上げ期待しちゃいけないよね(といいつつ、同行者はけっこう儲かった模様。ふんっ)。

しかし、日本の暑さはちょっとおかしいよ。いつから熱帯になったのだ。
今日の最高気温は34度だそうですが、アスファルトの照り返しの上では40度は
あったと思う。

でも、外に出て人と会ったり話したりするのは、やっぱりいい。
インターネットで何でも用が済んでしまう昨今、生身の人間を相手に会話をするというのは
本当に大事だ。

ライターのような仕事をしていると、打ち合わせからネタ出しから資料集めから
原稿や写真を送ったりするのも全てインターネットでやろうと思えばできるし、
実際、そうやってつくった本も何冊かある。ついでに国外暮らしだと、友人知人との
やりとりもメールになるし、赴かずとも日本の品物が手に入る通販も心強い。

でもそのぶん、人と人との関係がどんどん希薄になっていくのが目に見えるようで、
わたしは悲しい。本気で絡み合う手前のバーチャルなところで怒ったり悲しくなったり
するのって不毛だよな。

私のような人間にも、イギリス、あるいは遡ってマレーシアの留学関連の
情報を求めて、見ず知らずの人からたまにメールがくる。
時間があれば分かる範囲で答えることにしている。
でもそれって100%、私の好意なわけじゃない?

ブログやホームページに書いてある情報は、そもそも公開してるんだから
どうぞどうぞ煮るなり焼くなりご自由に、という感じだけど、
それ以上のことを聞いてくる人に対して、なんとなーくフェアじゃない
感じがいつもするんだよね。

それなりに時間も通信費も費やして返信しても、
「ありがとうございました」という無機質な文字列で済まされてしまう。
あるいは、返信した後はまったくなんの音沙汰もない場合すらある。
人の親切心に甘えるだけ甘えておいて、それはないだろうよ。

たとえば目の前にいて、顔が見えて直接話すことができる人に
対してそう思うことは稀で、「よし、いい人になろう」と素直に
思えるのにね。

電車男とか、わたし的には全然ヒットしないもん。
体温の感じられないつながりなんて、ないのと一緒だよ。

やっぱり、好きなバーミー屋台が満席で、ちょっと好みの人と相席になって、
で、ナンプラーを取ろうと伸ばした手と手が偶然重なり合い、
「あ、先にどうぞ」、「いやいいんですよ、あなたが先に」とかなんとか言う出会いのほうが
わたしは100万倍いいよ。

↑この「私が考えるところの理想の出会い」はここ数年、友人知人に語りまくって
いるのであるが、誰もが口を揃えていう、「そんなのあるわけないじゃん」と。
ロマンの欠片もない俗物たちめー。

ちなみに、この理想の出会いには、

1)日本だと「カツ丼屋のソース」
2)パリだと「カフェのお砂糖ポット」
3)ロンドンだと「フィッシュ&チップスのビネガー」
4)インドだと「共同の水差し」

といろいろなパターンがあるのだ。
でも、実現したことは、ただの一度もございません。

どうせどうせ。
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# by masala_days | 2005-08-20 17:21 | 日本の夏、東京の夏

今後のわたし

ビザもとれたし、航空券も手配完了!

あろうことか、わたしゃーロンドンが恋しい。
こんなこと一年前は考えられなかった。
日本は便利だし食べ物もうまいし買い物も楽しいのに。
……と書いていて気づいた、わたし、すっかり日本に来た旅行者の気分じゃないか(笑)。

去年、イギリスに渡る時は、いまさら言うのもナンだが、もっと悲壮だった。

そもそも、イギリスなどという国に、それまではまったく縁もゆかりも、
ついでにいうと興味もない人生で、それでも諸々の事情を考えると
私が渡英する以外に道はない状態で、ものすごーく後ろ向きな態度で
渡英を決心したのだった。何ひとつ先の見えない状況で、金銭状態も精神状態も
かなり追い詰められ、本当にイギリスで生きていけるのか皆目分からなかった。
「CPEに合格する」という目標も、「きちんと教養のある英語ができなければ、
黄色い外国人として、この国でそれなりの暮らしを築くことができないだろう」と、
なかばムリヤリでっちあげた活路だった。

英国大使館の煮え切らない態度にいちいち怒ったり落ち込んだり、
ビザ取得ひとつとってもたいへんナーバスななかで準備をした。
まったく、申請に必要な書類を問い合わせているというのに、
何の音沙汰もないまま時間が過ぎて、回答をもらったのはようやく数週間後だからな。

申請に行ったら行ったで、他の人はみんな書類審査だけでサクサク
OKが出ているのに、わたしは延々と待たされ、面接室に呼ばれ、上から下まで
いやーな感じの目つきで眺め回された挙句のビザ取得だった。
まあ、ただの学生というよりはもうちょい込み入った事情があったからだが。

学生時代のマレーシア、会社を辞めてからのインド、そして今回のイギリス、と
わたしは大人になってから、「異国に住んでみる」ということを3回やった。

どの国でもそうだけど、「あ、わたし、インド大好きなんですー」とか言える人は、
つまりはあまりインドのことを知らないはずなのだ。
イギリスに憧れて留学する人も、イギリスを知らないから憧れることができるのだ。

それが悪いというのではない。むしろ、わたしは羨ましい。

だってさ、ひとつの国や地域ってのは、知れば知るほどいいところも悪いところも
両方、見えてくるものじゃない? 無条件に「大好き」と言えるほど、わたしはインドに
酔って幻影を抱いていたわけじゃないし、イギリスにいたっては超ネガティブだった。
(マレーシアはまだ若くて適応力もある頃で、実際、暮らしやすい国だったから、
あんまり負のイメージはなかったけど。一年未満で短かったしね)。

今回のビザ申請は万全の態勢で臨んだ。
書類に一点の不備もなく、申請書の記入も完璧だ。
予想されそうな質問をすべて先回りして、しかも簡潔で分かりやすい。
CPEの作文に「お堅いフォーマル・レターを書く能力がある」という項目があるが、
それが役に立った、まずは最初の案件であった。

「どう、なんか文句あるなら言ってみなさいよ」
と臨戦態勢で申請書類一式を提出したところ、今回は超早く、面接もなく、
拍子抜けするくらいあっさりとOKが出た。ま、時期的な問題もあっただろうけど。

今回は去年とは心持ちからして違ったからな。
自分が何をやりたいか、何をすべきか分かっているし、迷いがない。
だから、審査するほうもイチャモンをつける理由がない。
とても晴れ晴れとした気分で大使館を出ました。

海外で暮らすっていうのはさ、べつに私が言わなくてもみんな知ってるだろうけど、
いろいろ大変さ。

わたしは英語は話せるし書けるし読めるよ。普段の暮らしで困ることはないよ。
でもやっぱり、毎日毎日、自分が育ったところとは言葉も習慣も人も違うところで
暮らすっていうのは疲れることだ。

新聞や本を読むにしろ、テレビを見るにしろ、書いてあること言っていることは
分かるけど、時々、「あああもういいよっ!」と思うことがある。
アルファベットが記号に見えて、読んだら読めるけど、読みたくない時がある。
話しかけられて、英語で答えるのが億劫になる時がある。
能力の問題じゃなくて、Phycological Block(心理的な壁)なのだと私はイギリス人には
説明している。一日の終わり、就寝前の読み物として、英語の本と日本語の本を
渡されたら、絶対に日本語のほうを選ぶ、みたいな。
この辺とどう折り合いをつけていくかが、今後の課題でしょうねー。

9月から、日本語教師になるための学校に通います。
うちは両親とも教師なので、「それだけはならない」と子供の頃から堅く決心していた
職業を、自ら選ぶことになってしまいました……。
こんなことなら大学の時に教職とっておけばよかったぜ。
大学は遊びに行っていたようなもんだ。卒業できたのが不思議なくらい。

勉強ってのは、自分が「したい」と思う時にこそ、すべきです。
私の大学教育は、勉学以外の面では無駄ではなかったけれど、
「勉強する」という学生本来の面ではまるきり無駄でした。

まったくもって、遅いよな、物事決めるのが。
おかげでまた、いい歳してママに莫大な借金をしてしまったじゃないか。
利子つけて返すわよ、意地でも。

モノカキは一生続けるけど、なんせ金になるところまで行く根性がないからな(笑)。
安定した暮らしをしたいし、お金のことで不安になる暮らしはもうしたくない。
好きなもの買って、好きなもの食べられる暮らしがしたい。
ドモホルン・リンクルとかSKIIくらい躊躇せず買える身分になりたい(切実)。

ま、先のことは相変わらず何も分からないけど、今のわたしにはあまり不安がない。

これまで「お客さん」でしかなかったイギリスで、今度は、
できる限りの基盤を築けたらいいな、外側からものを見る「ガイジン」じゃなくて、
もっと内部に食い込んでいけたらな、と、思っている。

というわけで、来週はロンドンに「帰り」ます。
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# by masala_days | 2005-08-19 03:35 | イギリス話

フェチバトン

……というものがSUZYさんより回ってきたので、ひとまず。

Q1.あなたは何フェチ?

布フェチ。インドの野蚕とか手織りもの。
グジャラートとかマディヤ・プラデーシュのアンティークの凝った
刺繍もの(って言っても分かる人はそんなにいないだろう)。
使うアテもないのに買った布が山ほどある。
去年、高いミシンを買ったものの、その後間髪を入れず渡英したので、
ついでにミシンも眠っている。

え、そういうフェチじゃない?

あえていうなら骨格フェチでしょうか。美しい骨がすき。

Q2.異性を見る時、まず何処を見る?

頭。前後に張り出した、脳味噌詰まってる系の頭がすき。
顔とか他はわりとどうでもいい。

Q3.最近プッシュ出来る部位

うーーーーーーーーーん。ない(怒)。

渡英前に顔のシミ(天ぷら油がハネて以来シミになった)をレーザー治療する
決心をしたので、その後そこがきれいになることを祈る。

あと耳の立ち方が左右で違う。左が起きてて右が寝てる。
正面から見ると、すごい変。耳たぶの厚さとか、形も違う。整形したい。

Q4.異性の好きな部位5つ

後頭部。額。足首。細い脛。
全体の骨格(細いんだけど無駄な肉がない身体、たとえて言うならリキシャーワーラーの
日々の労働によって否応なくついてしまった筋肉。筋トレしました系の作りこんだ身体は
ロマンがなくて嫌い)。

Q5.フェチを感じる衣装は?

(典型的体型の日本人男子が着る)和服。
胴長短足の人で、細い脛がちらりと覗いているやつがいい。
腰が高くて出っ尻で足が長い西洋人にあれは着こなせない。

逆に、ぷりぷりしたお尻でしか履きこなせない、
カオサンパンツを履いた西洋人はいい。カオサンパンツって、
あの、ゴムが入ってない、前で折りたたんでクルクル巻いて止めるやつね。
あれを平らなお尻の日本人が履いたのを後ろからみるとダラリンと布が
垂れ下がっていてすごくヘナチョコにみえる。すきだけど。

Q6.回す5人(必須)

えーそんなに友達いないよ。

恭子さん
マリちゃん

……。
だれか友達になってください……。
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# by masala_days | 2005-08-18 20:01 | イギリス話

「まあいいか、なんて言うな」

マサムネ節をタイトルに持ってくるの、実は恭子さんのブログの専売特許なんだけど、
今日は真似したい気分。落ち込んじゃダメよ、拾う神は必ずいるからね。

今回タイに行く前に、Kさんという、私が師と勝手に仰ぐ編集者とごはんを食べた。
そのときKさんが「最近、2泊3日くらいで十分なんだよね」と言っていた。
私もまったく同感だった。

ずっと出ずっぱりの生活をしていた。いつ帰るのかとか、どこに行くのかとか、
ほんとに何も先が見えない、ほとんど日常生活になりかけていた旅行を、
ロンドンに移住する前に2回ほどした。「住んでいた」ともいえるけど、
あれはやっぱり旅だった。
いろんな大切な人に会ったし、それはほんとにほんとに楽しかった。

でも、もういいや、と思う。
長いだけの旅行で、旅行の日常に埋もれていくのが、なんだかもったいない。
今回のタイもいろいろ楽しかったけど、2週間は長いな、と途中で思っていた。
たとえば2泊3日ぐらいの、ぎゅっと凝縮した時間で、今の私は十分に
気分を変えて楽しむことができると思う。
「ああ帰りたくないのになー」とぶつくさ言いながら飛行機に乗るくらいが、
きっと、ちょうどいい。

歳をとるにつれて、自分は何が好きなのか、ということが分かってきて面白い。
着る服、食べるもの、付き合う人、読む本観る映画、ああこれは私向き、
あ、これは違う、ということが明確に分かるようになった。

さる美容ジャーナリストの女性が、

「人はできることなら、眠ってしまうのが惜しいと思えるくらいの人生を送るべきである」

と言っていた。ほっとくと10時間睡眠のわたしが言うのもなんだが、これはかなり
真実だと思う。

数年前にとても後味が悪い別れ方をした相手から、別れてから初めてメールがきた。
簡単な近況が書かれていていた。元気そうで、うれしかった。
Now we are on the other side of the world,
yet it would be great to have a coffee and a big chat.
(今はお互い世界の反対側にいるけれど、お茶でもしながらおしゃべりするのも
いいかもね)。
ちょっと泣きましたね、わたしゃー。

相手を恨まずにいられるというのは、ひとつの利点だと思う。
よろめき度の高い惚れっぽい性格ゆえ(苦笑)、いろんな人と付き合ったけど、
心から憎いと思う人、心から憎まれている人というのが思い浮かばない(いるのかも
しれないけど)。みんなステキな人だったし、わたしもわたしなりにステキであろうと
がんばっていた。まあ、みっともない修羅場がなかったとは言わないが、
人を恨ま(め)ないというのは数少ない私の長点のひとつでありましょう。
自画自賛。

そうだ、バンコク最後の夜、ケベックのカナダ人ジャンと真夜中の中華街に行ったんだ。
寝る前にペチャクチャ話していて、フカひれの話をしたら、彼が急に「それ食べたい」
と言うのだもの。私が大好きな53番の赤バス(中華街を通って南西バンコクを一周する)は
10時半で終わっていたので、フカひれ屋台までタクシーを飛ばしてしまった。

ジャンもいい人だ。サメを食べてみようなんて思う西洋人に初めて会ったよ。
汗をダラダラかきながら黒酢をぶちまけてフカひれスープをすすり、
深夜に営業している花市場(パーククローン)に行き、最後の夜だからと
普段はボラれるので乗らないトゥクトゥクに乗って丑三つ時に宿に戻った。

こいつは最初に会ったときはひと言もタイ語が話せなかったのに、
むかつくことに、今回気づけばぺらぺ~らになっていた。
タイ人はみんな最初に私に話しかけ、わたしが分からずにボケっとしていると
ジャンが遠慮がちに口を挟んでくる。そのときのタイ人の驚く顔といったら。ああ可笑しい。

「ちょっと、いつのまに覚えたのさ」と訊ねると、
「いや出発前にカナダで速習コースを6週間やっただけだよ」とか涼しい顔して言う。
そのくせ文字は読めるし、イントネーションも正確だし、やっぱ脳味噌のシワが
わたしより2倍は多いんじゃないかと思う。

わたしなんか赤バスが2.5バーツだったころから(すごい限定的だなあ(笑))タイに
来てるのにさ、挨拶と数字といくつかの固定表現以外、
いつまでたってもぜんぜん進歩しない。

宿に戻って別れ際、「翌朝は早いのでたぶん会えないと思う、じゃーね気をつけて」と
手を振って部屋に戻ろうとしたら、「ちょっと待って」と呼びとめられた。

「ケベック式のお別れさせてよ」と言うやいなや、ぎゅーっとハグに両頬にキス。
あいあいやー。
あんたそりゃ反則だよ、日本女子相手にさ。

妙に焦って動転して、「フ、フランスは3回だったけど、ケベックは2回なのねー」という
わけのわからない台詞が私の別れの言葉となった。

情けねー。
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# by masala_days | 2005-08-13 03:24 | 旅なんちゃって

日本の夏

セミの声、いい感じです。
日本の夏もいいですね。暑いけど。

さて日本に戻ってきました。翌日、即パスポートを更新しに行きました。
うれしーーーー。

帰りはタイ航空でした。
どういう理由なのかよく分からないのですが、エア・インディアの名前と料金で
タイ航空に乗れるという、謎のチケットがあったのです。
でも当日、空港の画面にはエア・インディアの「え」の字も見えず、
ただ「ANAとの共同運航便」としか書かれていない。
私のチケットはエア・インディア発券なのに。謎だ。

タイ航空、やっぱりいいなあ。乗務員も乗客もマトモでホッとする。
でもさ、「週刊朝日」読んでるわたしに「外国人用出入国カード」を渡すな! (苦笑)。
ま、いつものことですがぁぁ。そんなにあたしは非日本的なのだろうか?
いいけどさ。週刊朝日だぜ?!

帰国早々、「水戸黄門」を見てボロボロ泣く。
やっぱ水戸黄門はいいよねえ。
あのベタなつくり。チャンバラシーンに親子の情、ラストで口上を述べる水戸黄門、
インド映画に通じるものがあるというか、これぞエンターテイメントの真髄という気がする。
石坂浩二はどうかと思うんだけどねーーー。

ついでに「美空ひばり特集」も見る。
わたしゃー演歌も司会の徳光さんも大嫌いなのだが、美空ひばりは好きだ。
水戸黄門と同じ理由だ。
あの大芝居がかった歌いっぷり、そしてそれが似合ってしまうひばり。
好きなタイプの声じゃないけど、思わず聴き入ってしまう有無を言わせぬ迫力がある。

と、確か同じようなことをRobert Plantのときにも書いた覚えがあるな……。
私が好きな声とは、草野マサムネくんとか、James Bluntとか、掠れ気味の男の子の
声なのらしい。

ところでジェイムスくんますます快調。
10月にロンドンでライブがあるらしいので、うちの先生を遠隔操作してチケットを
入手したい所存。「いいじゃん、レコード持ってるんだから」という先生に、
「だって生で見たいもん。あの人、メチャかっこいいし」というと、
あからさまに機嫌をそこねていた。見た目がいい男すべてに敵意を持つのだ、
うちの先生は。だからあれは観賞用の王子様なんだってばーーー。
あなたのかっこ良さは他の人が知らないとこにある。わたしだけが知ってるのだ。ふふふ。

安易な「感動」が大安売りされている昨今の日本、みんな、鳥肌が立つような
真物のエンターテイメントというものを忘れている気がする。
「プロ」という言葉がプロじゃない人を評するのに使われ、
「アーティスト」も「女優」も単なるタレントとなんの違いもなく、
メディアはチープにでっちあげた「感動」を提供したがる。

感動というものは人に押し付けられてするものじゃない。
……と、わたしは切に思う。提供するほうも安易だが、受け入れる方も怠惰だ。
「国民は自分たち以上の政府を持てない」と誰か偉い人が言っていたけど、
カルチャーに関しても同じことが言える気がする。
こういう土壌で文化が育つのかな、とちょっと真面目に思ってみたり。
用意された絶対安全牌の中でしか感動できないって貧しいよな。

今日、高島屋に行ったのね。
日本のものって、服でも靴でもすごいよくできてるよね。
縫製もデザインも。感動しました(笑)。
値段も高いけど、イギリスで同じようなものを買おうとしたらもっと高い。
で、イギリスの場合、そこそこの品物は、大量にズラーーーーッと並んでいて、
購入直後に同じものを持っている誰かを発見してがっかりするすることしかり。

化粧品にスーツ、日本で買っていこうと思うものはいっぱいあるけど、
実際、心惹かれるものがたくさんあるけど、金がいくらあっても足りない。
日本にいていつも思うのは、道行く女の子がみんなすごいキレイだってことだ。
頭の上から足の先まで、隙がない。
でも、みんな、家計はどうなっているのだ?

ああいう格好をしたいと思うと、本とか映画とかレコードとか、
わたしにとってもっと大事なものを犠牲にしなきゃいけなくなる。
あのキレイなお姉さんたちはその辺どうしてるんでしょう。知りたい。

そんな折り、うちの先生が「タイチ・ヤマダのストレンジャーズという本を読んだ、
面白かった、きみは読んだか?」とかいうメールをよこしたので、急遽、紀伊国屋に行き、
日本語版(っていうか原書)を突き止めて購入。
さいきん日本文学にハマっているらしい先生、「ミシマの文体がどうのこうの」とか
言って来るので油断がならない。なんであたしがガイジンに日本文学の説明されなきゃ
いけないんだ。ちくしょう。負けるもんかーー(妙な対抗意識)。

しばらく日本の休暇を楽しむことにします。
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# by masala_days | 2005-08-11 02:42 | 旅なんちゃって

バンコク旅日記(Kさんごめんタイトル無断借用)

今回、バンコクの定宿で、知り合いにふたり、会った。
ふたりとも数年前からちょくちょくバンコクに長期滞在しては
国に戻るという、わたしと似たような生活をしてきた人たちで、
しばらくぶりに元気そうな顔を見て、うれしゅうございました。

お互い、「なんかいつまでも同じようなことしてるよね」などと
苦笑しつつ、夜更けまで話す。

ひとりはイギリス北部出身の、ヨーガとか合気道とか菜食主義とか、
ようするにそっち系に傾倒している若い子で、夏前まで日本の広島で
合気道の修行をしていたとか言っていた。
彼とは私がイギリスに何の興味もないころからの知り合いで、
「しばらく会わないうちに、どうしたんだその嫌味なまでにブリティッシュな
アクセントは」と驚かれてしまった。まあ無理もない。最初に会ったときは
わたし、バリバリのインド英語だったから(笑)。

もうひとりはケベック出身のフランス語使いカナダ人。
彼はもうずいぶん長いこと大学で熱帯の森林破壊とかなんとか、
小難しい研究をしている人。バンコクは毎年夏に必ず来て、資料を集めたり、
地元の大学に顔を出したりしている。童顔にメガネでちょっと小太り、
髪の毛後退気味、というところが何気にうちの先生に似ていて、
ひさしぶりに会ったら意味もなくドキドキしてしまった。
なんででしょうね、わたしはどうも、「一見冴えないタイプ」に弱いようだ(笑)。
一緒に外に出かけると、これはもう例外なく、必ずや、
レストランのウェイトレスなりトゥクトゥクの運転手なり、誰もが私を彼の
「プロフェッショナル・ガールフレンド」として扱い、
よって彼も「いつもはモテないけどタイではハッピー」という、
まぬけ男の役割を演じさせられるはめになって、じつに気の毒である。
ちゃんとケベックにこれまたアカデミック系の彼女がいるんですってばあ。
それに彼は話は面白いし、とっても賢い人だと思うのだけど、
私のバカな話にも付き合ってくれるし、ひけらかさないところなんか、
本当に素敵な人ですとも、ええ(なぜか力説)。

今日はカオサンでひょんなことでいただいた食べ物系の取材を軽くこなす。
いつも思うのだけど、好きで食べている時は楽しいのに、取材となると
やっぱりきつい。写真だけ撮らせてもらって「じゃ」と言えないわたしは、
ついつい全部買って全部自分で味見することになるので、いくらお腹が丈夫でも、
最後はやっぱり「もうタイ料理見たくねえ」。突然、イングリッシュ・ブレックファストとかが
食べたくなる(それだけはないと思ってたのに!)。

バーミー・ナム(ラーメン)を食べていたら隣にオーストラリア人とおぼしき若い(推定22歳)
ファラン(西洋人)とタイ人女子の、みるからに「ビジネスです」というカップルが座る。
女の子の「おなかが空いた」という要求にこたえて小休止、というところだ。

女の子、バーミーを注文。普通タイ人女子って苛々するくらいまずそうに、
おしとやかにものを食べるはずなのに、彼女、よほど空腹とみえてけっこう意地汚し。
「あんたも食べる?」などと一応は男の方に丼を差し出したりはするのだが、男は男で、
「そんな辛いもん、食べられないよ」などとあからさまに嫌な顔をして断っている。
(そういうところがファラン男の評価を下げるのだ、目の前にいる女の子にかりそめでも
愛情があるのなら、辛そうでもゲテモノでも、とりあえず食べてみるのが礼儀というもの。
このへんに、自分の経験と照らし合わせても、ファラン男と東洋女との
埋まらない深い溝を感じますね)

そこへ、女の子の携帯が鳴る。
「誰? あんたなんか知らないわよ。電話しないでよね」
素っ気なく言って切る。
携帯、また鳴る。
「なんなのよ。あんた誰よ」
また切る。
男、心からうんざりしたように、「君っていつもそんな電話ばかりかかってくるよね」。
女の子、憮然として「そんなこと知らない。ぜんぜん知らない人からの電話」とうそぶく。

険悪な雰囲気。とりあえず女の子、バーミーを食べ終わる。
男、「で、君、お金払ったんだっけ?」(このくらい自分で払えよな>心の声)
女の子、英語で屋台のおばちゃんに「ハウマッチ?」と大声で聞く(屋台くらい奢れ>心の声)。
屋台のおばちゃん、英語で「20バーツ」(客は大事だけど女の子は大嫌い>心の声)
男、しぶしぶ20バーツ札を出す。
女の子、打って変わってにこやかに、「さ、行きましょ(はぁと)」。

ええ、一部始終を見ていたわたし、性格悪いですねー。

それにしても、巷のタイ女子はもっと可愛さを装い、媚を駆使し、
あの手この手で最大限の金を引き出すものだというのに、この女の子は、なんつーか、
商売が下手というか、よっぽど虫の居所が悪かったのか、そんなんじゃ男も
興ざめするぜ、という態度で、見てるこっちがハラハラしてしまった。

男も男で、「金払ったんだから元は取りたい」という若い男らしいムラムラが滲み出ていて、
けれどその女の子のことなんかこれっぽっちも好きじゃない、という様子もまたありありで、
なんつーか、不毛ですよね。

でも、若気の至りと「アジア女への純粋な好奇心」で女を買うファラン男と、
可愛げの欠片もなくてふてぶてしいタイ人女子の組み合わせのほうが、
見ていて楽しくはないものの、老人とギャルの組み合わせよりも100万倍ホッとする。

「バンコク・ポスト」(新聞です)なんかを黙々と読んでコーヒーを飲む老人の傍らで
手持ち無沙汰に、つまんなそうに遠くを見ている孫ほどの年齢のギャル、
というのはよくある図だけど、それと比べると、この即席カップルの方が、
なんかまだ人間同士の付き合いをしているというか、健全さを感じて、
「あーあ」と思いながらも、ほっとける気がするのだ。

女の携帯がひっきりなしに鳴るのを気にする若い男。
ふてくされながらも言い訳をする女。
なんか、救いがあるでしょ。

……などと思ってしまう私は、やっぱりちょっとオバサン乙女なのかしらねー。
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# by masala_days | 2005-08-06 20:09 | 旅なんちゃって

CPE合格!

本日、インターネットの速報にて、CPE(Certificate of Proficiency in English)の
結果が出ました。

合格!

グレードCという一番下の評価だけど、受かればいいんです、受かれば。
Aなんてのは、在住何年という人が相当苦戦してとれるもので、
私なんぞがとれるとはハナから思ってないし。

予想通り文法がボーダー下で、読解がギリギリで、
でもあとの作文、リスニング、スピーキングができていたらしく、総合評価では合格。
話すのと聞くのは、まあ、場慣れしてるのであまり心配はしていなかったのだが、
作文、作文ですよ、アータ。

日本語にないa とtheに苦労し、基本的思考が構造が全く異なる日本語ベース
で書くので時に詩的というにはあまりに突飛な表現になってしまい、
ラテン語系列が母語の人たちとの歴然とした差にガビーンときたもんでした。

何ヶ月もやって、あれほど伸びなくて日々苦戦していたのに、
一番苦手だと思っていた作文がわりといい評価だったのには驚いたよ。
いやあ、やればできるって言葉、今なら自信を持って言えます、はい。

ああもう、ここんとこいいことなくて、
ついにプロザックに走ろうかというくらい落ち込んでいたのだが(おいおい)、
とりあえずひとつだけはいいことがあったぞ。

うれしい。もうどのくらいうれしいかって、ほんっとにうれしい。
ああモノカキなのに表現力がなくてすいません。

実は帰国前にロンドンでTOEICを受けていたのだが、
なんと渡英前の900点から880点にスコアが下がってしまい、
「なぁにぃごぉとぉだーーー?!」と慌てふためいていたのでした。
(TOEICは偏差値でスコアが出るので、イギリスで受けるとそれなりに
標準が高く、なかなか高スコアが出にくいらしいと後で聞いた。が、
それにしても下がるってのはショックでした……)。

とりあえずCPE。これに受かったつうのは、私にとってはたいへん大事件であります。
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# by masala_days | 2005-08-05 17:28 | 英会話あれこれ

感動した!

本当は今すぐ直帰してこのまま寝てしまいたいのだが、
この素晴らしい気分はぜひとも文字にしておきたいので、ここに記す。

私は知る人ぞ知るタイ・マッサージ・フリークだ(別に誰も知らないけど)。
バンコク市内に行きつけの店が3軒ほどあるくらいだ。
しかして、それらの店に通うこと10年余り、本日ついに、
「大当たり!」というマッサージ師にあたった。

だいたい私は女の子が好きそうなスパとかで全然くつろげないタイプなのだ。
こじゃれた内装とか女の子の優しい微笑みとかと己のビンボ臭さをついつい
対比させてしまい、「私って場違い?」とか「しまった足のムダ毛が」とか
いろいろ考えてしまって、おまけにお会計で支払う金があまりに高いので
「こんな身分でこんな贅沢していいんだろうか」などと思い悩んでしまい、
くつろぎにいったはずなのに100倍疲れて帰ってくるのがオチである。

そんな私に、街のマッサージ屋はやさしい。
着替えの部屋なんかなくて、カーテンに隠れて雑なつくりのショートパンツに
履き替えて、みんながゴローンと一同に会して寝転んでる、味も素っ気もない
部屋に通されてこそ、落ち着くというものである。

私が行くところはまあだいたい平均してみな上手で、コンスタントに
9割くらいの満足感は得られるのだけれど、今日のおじさんは
「なんであなたがこんなカオサンなんかのマッサージ屋にいるのだ?」と
いぶかしく思えるほど上手な人だった。

そこそこうまい人では気持ちよくなって眠ってしまい、
終わったときに起こされて、「何しに来たんだっけ?」とちょっとガッカリする
ことしかりなのだけど、本当にうまい人はきちんとツボを押さえていて、
きちんと「うう、効くぜ」という感じがするので、眠りそうなんだけど
決して眠れないものなのだ。それでそれがすごくいい感じなの。

今日の人はまさにそれの頂点に立つというくらいスゴ腕だった。
身体中の毒素が一気に出ていく気がしました。

もうされるがまま。ハラは出るは太股はあらわだわで、
タイマッサージってけっこうクンズホグレツ系の
ミもフタもないところがあって、
相手が若い男の子だったりすると思わず気になって集中できないのだけど、
今日のおじさんは、そんなことをきれいさっぱり忘れさせてくれる
技の持ち主。

ケチな旅行者相手のカオサンなんぞでは大したチップも期待できまい。
と、思わずチップを大盤振る舞いしてしまった。
だって1時間180バーツ(500円くらい?)と、本当に申し訳なくなるような
料金なんだもの。
そのうちいくらがマッサージ師の取り分だか知らないけど、
物価が安いとはいえ、いくらなんでもあれだけやって
500円ってのはないよ。と思い、私はいつもちょっとずつチップを渡すことに
している。特に今日みたいな人に渡すチップはちっとも惜しくないね。

いやー、いい思いをさせていただいまして、ありがとうございます。
という感じです。ええ。

終わりに、記述がどうもGダイアリーの潜入探訪記風になってしまった
ことをお詫びいたします。話題は断じて健全なタイマッサージであることを
ここに重ねて明記いたします。

(注)Gダイアリー:バンコク発の男性誌。幅広い意味で東南アジアをこよなく愛す
男性向けの記事いっぱい、おねえさんのいるお店の広告いっぱい。
ひめぽんの密かな愛読誌(いやこれが面白いんだよねー)。
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# by masala_days | 2005-08-05 02:12 | 旅なんちゃって

イメルダ夫人もかくありき

タイに来て必ずすることのひとつ。

「靴を買う!」

しつこいようだが、わたしの足のサイズは小さい。
わたしの足は22センチである。威張ってもしょうがないけど、
きょうびの日本人女子はスタイルもよく足も大きく、
これが自分の国に帰ってもなかなか選択の余地がないんだよ悲しいことに。

いわんやイギリスをや。
イギリスは子ども靴にも履けそうものがあることを学んだ
ものの、オフィスっぽい感じのパンプスはさすがにない。

ということで、タイである。
足から上はデブなのでタイ人サイズの服は着られない。
が、靴だけはいっぱいいっぱいある。
しかも安い。
素材は確かに安っぽいが、探せばそれなりのクオリティのものもある。

だいたいイギリスで同じような安っぽいものを買ったら平気で
10倍はするので、そんなことは構わない。

ということで、今後、スーツを着る機会がきっとあることを考えて
低めのヒールのベーシックなパンプス(なんか頭悪い人みたいな記述だ。
どうしてファッションのことになるとカタカナしか浮かんでこないんだろう?)を
5足も買ったぞ。

幸せですねー。
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# by masala_days | 2005-08-01 17:16 | 旅なんちゃって

放蕩息子のマチガイ

ちょっと前に、ジェイムスくんの詞のなかに出てきたProdigal sonという単語、
対訳で「放蕩息子」としてるんだけど、調べものをしていてふと、去年うちの
先生の授業でキリスト教関連の単語をやったときに、この単語が出てきたのを
思い出した(タイくんだりまで7冊ぶんの分厚い授業ノートを持ってきている
わたし。英語の文章を書こうとするとき、この血と汗の滲んだノートが何よりも
大切なのだ……荷物重いよなそりゃあ)。

それによると、英語の「prodigal son」は「さんざん好き勝手やり尽くした末に
悔い改めた放蕩息子」という、たぶん聖書あたりが出典の言葉らしい。

だから「放蕩息子はもう流行らない」なんつう訳を堂々とつけたけど、
「prodigal son is too late」のtoo lateは、「今さら改心しようったってもう
遅いんだぜ」っていう意味ですね、きっと。

言葉を学ぶのが本当に難しいと思うのはこんな時です。

その言葉が使われる文化的背景が分からなかったら、字面の意味にとらわれて
本来の意味を完全に取り違えることがある。

インド(ヒンディー語)で「ありがとう」というのでガイドブックなどに
よく書いてあるのが「ダンニャバード」という言葉だけど、
わたしゃーこれを聞いたのはエア・インディイアの機内放送くらいで、
本物のインド人から言われたことは一度もない。
「ありがとう」と言いたいときは英語の「サンキュー(タンキュー)」である。

カースト制度との絡みだと思うのだけど、たとえば、
切符売りが切符を売るのはあたりまえのことだから、
わざわざ「感謝」なんかしないのだ。
それをいちいちいちいち
「感謝してますぜ」「感謝してますぜ」と言わせる文化を持ち込んだのは西洋人、
おそらくイギリス人と思われる。

インドにいて、やたら「サンキュー」を連発する西洋人がものすごく奇異に見えた
ことがあった。

それと同時に、すぐ「ソーリー」という日本人も奇異だった。
「いやーわざわざすまんね」という意味合いで「ソーリー」というのだろうが、
別に悪いことしてないときに謝罪の「ソーリー」を言うのは変だ。

こういう時は「サンキュー」を連発してくれたほうが見ていて気が楽だった。

言葉って、勉強すればするほど分からなくなるもんですねーー。
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# by masala_days | 2005-07-28 13:13 | 英会話あれこれ

とほほホアヒン

さてわたしは7年ぶりくらいにタイが誇る王室リゾート、ホアヒンに来ている。

そしてしょっぱなからお腹を壊し、丸二日寝込んでいた。
何が原因なのか、心当たりがありすぎて反省しようにも、あーた、もう。

「ああやばそう」というものほど自制心がきかないというか。
体力はないほうである。健康にもあまり自信がない。
だからやめときゃいいのに、ぜんぜん学習しない。
困った女だなーこりゃー、とわれながら呆れています。

まあいつものことだが、タイは不健康なカップルが全国に蔓延している国である。
いやタイ自体はいい国なのだ。が、あまりといえばあまりに、愛のない関係が目立つ
国である。あたしゃーまだ愛を信じたい年頃なんだよ。まったくよう。

で、そぞろ散歩の途中、どこか見覚えのあるゲストハウスに出くわした。
もしや、そこは7年前に、当時付き合っていた彼と泊まった思い出(笑)の宿ではないか?
入り口の感じとか、ちょっと変わってる気もするけど、海上に浮かぶ感じ、似てるぞ。

いやー、昔は安宿だったのに、グレードアップしてこじゃれたゲストハウスになっちゃって。
時代は移り変わっていくものですねえ。

などと思いながら、ふらふらと中に入る。
受付にお姉さんがいる。
「遅いじゃない。さっきからずっと待ってるわよ」(←というようなタイ語。こういう時は分かる)
ちょっといらいらした様子で、手元の宿帳のようなものをめくり、
おもむろに傍らの受話器を手に取る。

鳩が豆鉄砲をくらった、つうのはまさにこの時のわたしだ。
「え? 誰が待ってるの???」(←英語)

お姉さん、ハッとして「ハロー」と英語で言い直す。焦った末のつくり笑い。
「あのー、部屋が見たいんですが」
用もなく入ったわたしが悪いので、とりあえずそう申し出る。
しかたなく部屋を見せてもらう。

ええ。
わたし、どうも出張ガールと間違えられてしまったようで。
見た目日本人というには色黒過ぎるし、痩せて華奢でもないわたしは、
西洋人男性と一緒にいると必ずその手の女の子と間違えられる。
が、単身でも間違えられるとは、近年ますますヤバイ方向に行っているようだ。

先日は深夜のセブンイレブンで「なに人なの?」とレジのお兄ちゃんに聞かれ、
「日本人だよ」と言ったら、「なに言ってんだ、フィリピンのくせに」と鼻で笑われた。
そこで否定しても、「日本人になりたい願望のタイ人ORフィリピン人」としか受け取って
もらえないので、あえてなにも言わない(実際、そういう願望を抱いて切ない嘘をつく
タイ人も多いらしい。「日本人」ってすごいブランドなのだ)。

毎回毎回、よくあることなんだけど、タイ男子、なんで「フィリピン」というときに、
あんなヤな感じのニタニタ笑いをするんだろうね。
こういうことを言うのは、決まって貧乏そうな、田舎から出てきて薄給で
こき使われてるようなお兄ちゃんである。だから本気で怒る気にはなれないけど、
それにしてもあの薄ら笑いは世界で3番目くらいにヤな感じだ。
フィリピン女性が唯一、自分たちが蔑める相手だからか? 
あと「インドネシア人」というのもある。どちらもタイでは出稼ぎで有名な国名である。

こういう輩は無視するに限る。馬鹿馬鹿しくも腹が立つ。

で、ひょんなことでわたしが本当に日本人だと分かると、とたんに態度がかわるんだよね。
タイは好きですが、こういうところ、大嫌いだもんねイーだ。

昔の彼との思い出もそこそこに、気を取り直して散歩再開。
すると、今度こそ本当にバッチリ見覚えのある宿が。

……こっちが本当の思い出の宿でした。
えええええ、当時のまま、ボロっちい入り口に犬が数匹ごろーんと寝そべっていて、
すてきに寂れた感じでしたよ。
なんであんなキレイキレイで薄っぺらい売春宿化した宿と、こことを間違えたんだか。

思い出っていい加減ですね。スピッツのマサムネくんも歌ってるよ。
♪不自然なくらいに幼稚で切ない 嘘半分のメモリーズ♪

ってさ。

日本語フリーペーパーDACO最新号で、おりしもホアヒン特集をやっている。
とりあえずそこで紹介されていたカフェの生ハムをしこたま買い込んで、気を取り直した。
って、おなか壊してるんだってばぁぁぁぁ(食べましたがね……う、うますぎ!!!)。
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# by masala_days | 2005-07-27 21:25 | 旅なんちゃって

レバーフライとビジネスクラス

3連休はキャンプに行っていました。
渡辺玲さんのレシピで、スパイスの効いたレバー炒めをつくりました。
ばかうま。
とはこのことを言うのでしょう。あっと驚くシンプルなレシピなのに、うますぎです。

血みどろのレバーを下ごしらえするのはけっこう気持ち悪いもので、
ほとんど泣きそうになりながら作業をした。でも、結果よければすべてよし。
あのスプラッタからあの美味がうまれるとはねー。しかも超簡単。

数年間、準ベジタリアン(エセ)だったわたしには、肉肉したものを料理するのがけっこう
勇気のいる仕事なのですが、自分が食べるものを自分で処理するのは道理にかなうと
つくづく思う。

さて昨日からバンコクにいます。
今回は、去年バンコクで買った東京往復の帰路を使っての渡バンコクです。
おまけに去年はピークシーズンで安いチケットが買えず、某航空会社のビジネスクラスを
買ったのでした。

ビジネスクラスって、エラソーな人が乗るものだと思うのだけど、インドの隣国のフラッグキャリア
であるこの航空会社は、わたしのように「最安値の航空券を買いそびれたけど他の航空会社の
エコノミーより安いから」という理由で乗っている貧乏旅行者や、「現地妻と子供を連れて
帰国するので、ちょっと贅沢したいけどうんと贅沢できない」日本人パパや、
「本国では支配階級で金持ちなので、洗練とは程遠いながらも一般ピーポーと同じ
エコノミーなんかに乗れない」本国のお偉いさんやら、ビミョーに荒んだ雰囲気の漂う
ビジネスクラスです。

シートも若干広いかな、程度で、サービスもまあ、あちら方式の「とりあえず食わせとけ」ってな
感じのおざなりさで、どこがどうビジネスクラスなのかいまいち判断に困るのですが、まあ、
安いので文句は言えません。でも、また乗れといわれても、
たぶん他の航空会社エコノミーを選ぶことでしょう。

今回は、航空会社のマネージャーらしき人物が離陸前にわざわざ乗り込んできて、
「こちらのお嬢さんは在日○×国大使館の大使のお嬢さんなんですよ!」と、
でっぷり太った、あんまりかわいくない娘を紹介していた。
一同、「So what?」、だからなんなのさ状態なのだけど、マネージャーの無意味に押し出しの
強い気迫に押されて、「あ、どうも」とか挨拶してた隣の日本人男性。深く同情いたします。

誰の娘だか知らないが、そんなことどうでもいいがな。
そういう「偉い人」が幅を利かせる世界なんだよね。インドとかタイもそうだし。

と、わたしは小心者で見栄っ張りなので、「どんなしょぼいビジネスクラスでも、あまりビンボくさい
格好をするのは礼を欠く」と思い、いつものバンコク行きならノーメイクにヒッピーまがいの楽な
出で立ちだというのに、今回、朝からばっちり化粧をし、アイロンのかかったシャツを着て、
背筋伸ばしてシートに腰掛け、お上品に食事をし、間違っても足をぐわあああっっと
前のシートに投げ出したりはせず、なんだか本当に無意味に疲れました。

そういえば食事もすごく変だった。
スモークサーモンと昆布巻き等々のジャパニーズ前菜に、
ベジタブルコルマとラムカレーのメインディッシュ。デザートはごろんと丸ごとのバナナやリンゴ。
しかも事前にメニューを配って、三種類の選択があることを知らせているにもかかわらず、
出されたときに選択の余地はなく、問答無用でラムカレー。
そんなことならメニュー配るなよ(ラムはおいしかったけど)。

軽食はなぜかジャパニーズ素麺に、南アジア的な油っこいパイ、クリームチキン入り。
よくわからん組み合わせ。

不毛だ。
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# by masala_days | 2005-07-23 16:56 | 旅なんちゃって

うれし恥ずかし美容院

どうも髪に関してわたしはアバウトで、半年に一度くらい、
ふと気がつくとバッサバサに伸びている。
ロングヘアといえば聞こえはいいが、ただ単に放っておいただけなので、
どう贔屓目に見ても、手入れの行き届いてない感じは否めない。

巷にはおっしゃれーなロングヘアの女性があまたいらっしゃるが、
間違ってもそのような「一見、無造作に見えるけど実は手がかかっている」
おしゃれ系のロングヘアではないということだ。

「きたないおばさんになるのだけは阻止しよう」
これがわたしの30代の目標だ。エステティックや高価な化粧品にかける
潤沢な資金はないものの(だいたい他でいろいろ金がかかるのだ)、
できる範囲で身ぎれいにしていたい。

そんなわけで、ロンドンでうっかり伸びっぱなしになっていた髪を切りに、
5年くらいずっと通っている美容院(「ヘアサロン」とかは絶対に言うまい)に行った。
忘れた頃に行くので、「行きつけ」といっていいのか分からない。
お店の人も心得たもので「きっとまたどこかに行っていて、一時帰国でもしてるんでしょう」
と、みごとな推理でわたしの来店理由を当ててくれた。

お店に足を踏み入れる30秒前までは、適度に今風で無難なロングヘアにしてもらうつもりだった。
それがどうしたことか、「今日はどうしますか」と聞かれた途端、ものすごくうっかり、
「バッサリいっちゃってください」と口走っていた。

なんだか暑くて、とつぜん、肩にかかる髪がうっとおしくなったのである。
「長いですねえ。ここまで伸びている人はそうはいませんよ」
若いが腕は確かな美容師さんはそう言い、ものすごーく思い切りよく、
「バサッ」と最初のひと切り(推定30センチ)をやってくれた。
その鋏の感触に泡がそぞろ立つような恐怖を感じ、「やっぱりやめます。
元に戻して」とお願いしたが、「できません」ときっぱり冷静に断られてしまった。

かくしてわたしは短髪になった。
数年前におかっぱにしたことはあったが、ここまで短いのは10年ぶりくらいである。

今まで背中に長く垂れていた髪がないというのは心もとないものだ。
文金高島田が結えなくなってしまったとか、前日に衝動買いした髪留めは
どうするんだとか、いろいろな懸案事項が脳裏に浮かぶ。時すでに遅し。

でも、短い髪というのは、予想外に気持ちがいいことにも気づいた。
おまけにわたしは身長150センチ足らずのちびっこで、大顔&胴長短足の三頭身、
とくれば、あんまり長髪にしないほうがきっとバランスがいいはずである。

しかし日本の美容師さんはうまい。
ロンドンの美容院で何度か切ってもらったときは「段」「段」「段」ときっちり
5段階切り替えくらいの頭になったり、あからさまに左右の長さが違ったり、
なんというか「ママががんばって娘の髪を切ってみた」的レベルの仕上がりに
どこか腑に落ちなかったものだ。

わたしはけっこうチャレンジャーなので、インドやタイやマレーシアやインドネシア、
わりといろいろな地域で断髪してきたのだが、イギリスのその辺の普通の美容院も、
かなり大雑把というか、適当にお客の髪を切っている気がする。

それが日本の美容師さんに切ってもらうと、
わたしの頭の格好の悪さをきっちりカバーし、なおかつ手入れもしやすく、
伸びてきてもそれなりにサマになる、激しくお得な仕上がりになる。
カット料金は6千円弱と安くはないが、こうなるなら払っても惜しくはない。
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# by masala_days | 2005-07-19 00:53

勝手に宣伝部長:James Blunt はかっこいいのよ

c0036998_16223977.jpgBack to Bedlam
強い男のセンチメンタリズムをとことん恥ずかしげもなく追求しちゃったJames Bluntのデビューアルバム。軍隊出身のギター弾き。甘い顔立ちと鍛え上げた身体がすばらしい。詞がねえ、もうベッタベタにクサくて照れちゃうんだけどねえ、わたしゃー顔が好みの男に甘いので、許す。
この、他の誰がやっても許されないであろう、正統派男のセンチメンタリズムとその一方で沸々と流れる冷静な観察眼、わが往年の心の恋人スピッツの草野マサムネくんによく似ている。

==============================================

男の青臭いセンチメンタリズム全開。
骨太でいて繊細なJames Bluntを聞け!

……すいません。そういう気分なんですよ。
ということで、勝手に和訳。聞き取れないところとか、
ちょっと訳者の想像も入ってますので、突っ込まないでねん♪

って、訳してて気づいた、センチメンタルというよりは、
くわばらくわばら、と哀愁漂う歌だった……。
その顔で演歌かいなジェイムス……。

ある意味、今のわたしにぴったりの曲。ががががーーん。

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Billy
by James Blunt

Billy is leaving today, don't know where he's going
Holds his head in disgrace he can't escape the truth
He knows the price that he's paid he admits that
it's too late he admits that he's afraid

ビリーは今日、旅立っていく どこへ行くかは知らない
カッコ悪い面さげて 現実からは逃げられない
お遊びのツケは高かったのを 奴は知ってる
気づくのがちょっと遅かったかもしれないと 知ってもいる

Tomorrow comes sorrow becomes his soulmate
The damage is done the prodigal son is too late
Old doors are closed but he's always open
To relive time in his mind
Oh Billy

明日が来て、孤独が奴の伴侶となる
傷はもうついちまった 放蕩息子はもう流行らない
古いドアは閉まっているのに、奴は今でも物欲しげ
ずっと昔の思い出に 未練がましく浸ってる
ああ、ビリーってば

Billy is leaving today, don't know where he's going
He's got lines on his face they tell the story of his pain
He accepts it's his fate, he admits it
Took too long to admit that he was wrong

ビリーは今日、旅立っていく どこへ行くかは知らない
顔にはシワがいっぱい そこには奴の痛みがにじんでる
それは運命だと受け止めてはいるけれど
間違っていたのは自分だと 認めるには時間がかかった

Tomorrow comes sorrow becomes his soulmate
The damage is done the prodigal son is too late
Old doors are closed but he's always open
To relive time in his mind
Oh Billy

明日が来て、孤独が奴の伴侶となる
傷はもうついちまった 放蕩息子はもう流行らない
古いドアは閉まっているのに、奴は今でも物欲しげ
ずっと昔の思い出に 未練がましく浸ってる
ああ、ビリーってば

Once he was a lover sleeping with another
Now he's just known as a cheat
And he wish he'd had a mirror, looked a little clearer
Seen into the eyes of the weak

ぶいぶい言わした頃もあった
でも今は ただの嘘つきに成り下がった
鏡があればいいのに、と奴は思う
もうちょっとよく磨かれたやつが
負け犬の瞳を、もっとはっきり、映しだすような

Tomorrow comes sorrow becomes his soulmate
The damage is done the prodigal son is too late
Old doors are closed but he's always open
To relive time in his mind
Oh Billy

明日が来て、孤独が奴の伴侶となる
傷はもうついちまった 放蕩息子はもう流行らない
古いドアは閉まっているのに、奴は今でも物欲しげ
ずっと昔の思い出に 未練がましく浸ってる
ああ、ビリーってばよぅ


ジェイムスくん情報↓
http://www.hyperlaunch.com/jamesblunt/
http://www.jamesblunt.com/
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# by masala_days | 2005-07-15 14:23 | 勝手に宣伝部長

70数人のイギリス人と何百人のインド人

わたしがいまいち報道の過熱ぶりに疑問を持つのは、
きっと、人が大量に、あまりに簡単に死ぬ状況を他にもいくつも
知ってるからだと思う。

テロと、事故・自然災害を比べちゃいけないのは分かってるけど。

でも、インドの列車事故で何百人という人が死んでも、
小さな囲み記事くらいにしかならないじゃん。
つくづく、人の命って同じじゃないよな、先進国以外の国での命の重さって
嘘みたいに軽いよな、と思う。

世の中には、泣いてサヨナラといえる死と、涙も出ないうちにサヨナラと
言わされる言わなきゃいけない死があると思うんだけど、なんの因果か、
ここ数年、後者のほうばっかりを目にしてきた。

ありがちなトラウマでもうしわけないんですけど、残された人のそばにいて、
悲しむ人に何もできない無力な自分というのが
もうめちゃくちゃ嫌なんですよ。泣けないって不便です。
ディズニーアニメ見てビービー泣くくせにね。

すいません。めちゃ感傷的だなあ、わたし。
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# by masala_days | 2005-07-14 20:59 | 旅なんちゃって

人の命は等しくない

一週間前、テロの日の朝、わたしは余裕ぶちこいて寝てました。
救急車なのかパトカーなのか、サイレンの音が外でずっと続いていて、
変だなあ変だなあと思いながらも、体調悪かったせいもあり、うだうだと二度寝。

10時半ごろやっと起き出して、うちの先生に頼まれていた所用の確認のために
テキストメッセージ(ショートメッセージというのか? 簡易携帯メールみたいなの)を
送ろうと携帯電話を見ると、UK版、日本版ともに、電波が来てない。
地上の電話で学校に連絡しようとすると、こちらも「ただいま回線が大変混み合っており」
とか言っている。

即、寝ぼけた頭にも「なんかあったぞ、これは」というヤな感じがよぎり、
テレビをつけると、トニー・ブレアが「われわれはこのような野蛮な行為に」云々、言っている。
5分ほど見ているうちに、市内何箇所かで爆発テロがあったことを知る。

隣のポーランド人(推定)のおばちゃんが帰宅した気配があったので、
ガバっとドアを開けて「どうなってるの?」と聞くと、彼女はしごく落ち着いた模様で、
「あらあたし、仕事に行こうと思ったら地下鉄止まっちゃって、トンネルの中を1時間も
歩いてやっと帰ってきたのよ。どうせ遅刻だからついでに買い物してきたわ」
などと言って、セインズベリー(スーパーです)のビニール袋を両手一杯に下げている。
緊張感ゼロ。

エリア的にまったく外れているので99.9%大丈夫とは思いながら、朝、普通に
出て行ったうちの先生のことが心配になり、どしゃぶりの雨の中、学校に様子を見に行く。
当然、バスは走っておらず、地下鉄の駅も閉まっている。道を歩いている人の数が
普段の3倍くらいいた。

学校に着くと校内は人でいっぱい。夏休みシーズン到来で、この週から台湾やらイタリアやら
スペインからお子様集団が大挙して訪れていて、ただでさえ人が多いというのに、皆、
親元から安全確認の連絡がじゃんじゃん入るので、ひとまず学校で待機しているのだった。

そのうちに、うちの先生の聞きなれた大声が聞こえ、ほっと胸を撫でおろす。
思うに、先生の無事を知りたかったというより、どことも連絡がとれない、
なにやら非常事態の時にひとりで家にいて心細い自分をなんとかなだめるために、
先生の顔を見たかったのだな。精神安定剤というやつだ。
なんせあの絶え間ないサイレンというやつが、ものすごく心臓に悪い。
うちも学校も全然現場からは離れているのだが、ロンドンの東西を結ぶ幹線道路があるから、
イーストエンドのほうで足りない救急車なんかを西側から送り込んでいたんだと思う。

そんなてんやわんやの騒ぎの中で先生に会ってもしょうがないので、ひとまず他の
知人友人の顔を見てから帰宅。
当初の予定通り、帰国のための荷造りやら引越し荷物のパッキングやら。

けっきょく翌日はわたしの住んでいるカムデン地区の公立学校はみんな臨時に
休みになったそうだ。
が、うちの学校は授業を強硬した。賛否両論だろうけど、私はそれでよかったと思う。

誰も公に言わないのが不思議なんだけど、今回のテロ、冷静に考えると、
私はロンドンはものすごくラッキーだったと思うんだよね。
今までのニューヨークやらマドリッドと比べると、被害、規模ともに、ものすごく小さい。

なのに、ロンドン市長やらがテレビに出てきて9/11のニューヨークのテロとの
比較なんかをしたり、「われわれは二度の世界大戦を乗り越え、あのドイツすら
撃退したのだ、テロになど負けない」などと鼻息荒く言っているのが、
わたしにはなんだかものすごく違和感があるのだ。

これからまだなんかあるんじゃないか、という気がするのもあるし、
5000人の犠牲者が出たニューヨークと比べて悲壮ぶるなよ、わたしらメチャ、
ラッキーだったじゃん、と言いたい気がするのと両方。

もちろん、テロ自体には怒りを覚えるし、犠牲になった人にはなんとお悔やみを言って
よいのか分からないけど、それにしても、メディアや政治家たちの過熱ぶりが
わたしにはなんともいえない「違和感」なのだ。

一方で、わたしが知る限りの一般のイギリス人たちはごくごく冷静で、
普段通りの生活を続けているし、あまり興奮した様子もない。
アメリカのときのように、愛国心やテロリストへの怒りをむき出しにしたりしてる人は
あんまりいない。すーーーーーっごい冷静である。まるで他人事のようである。

たしかにイギリス人はもっと怒るべきなのかもしれない。
一丸となって立ち上がるべきなのかもしれない。
でもやっぱりわたしは、アメリカ(っていうかブッシュ)のように安易に
「テロリスト=イスラム=敵」としようとしないイギリス人の性質を評価したい。

そんなこんなで、テレビや新聞での過密な報道ぶりと、巷のイギリス人の普通ぶりの
体温の差に、なにかしらの戸惑いを覚えるのです。

ちなみに、わたしは普段から地下鉄が大嫌いで、よほどのことがない限り乗らない。
あの地下に潜る得たいの知れなさがどうにも苦手なのだ。ちょっと閉所恐怖症気味でもあるし。
ベイカーストリートに行くのにチューブだと5分なのに、わざわざ30分以上もかけて
渋滞のなか、バスで行くくらい。学校を選んだときも「地下鉄に乗らずに済む」ことを
条件に探したくらいだ。

ついでに言うと人混みも嫌いなので、滅多に行きません。
ネルソン・マンデラの演説のときも、トラファルガー勝利の式典のときも、
なんぞ起こりそうな場所には絶対にいかん。
ましてや今回はパリに勝ってオリンピック主催地になった直後のことですもん、
わたしゃー石橋叩いて渡りますって。

ちなみにオリンピックに関して喜んでいる人はわたしの周りにはひとりもいない。
どっちかっていうと「ぐぁあぁああ! つまんない見栄張りやがって~」と叫んでいる人の
ほうが多い。
これで税金は確実にあがるし、不動産も高くなるし、あんまりいいことないです、ほんと。
うちの先生は家を買おうと思っていたエリアがちょうどオリンピック予定地なので、
マジで怒ってましたって。
ま、パリがライバルじゃなかったらここまで盛り上がらなかったんだろうなあ。
イギリス人って、ほんとうにフランスが嫌いなんだよね(笑)。あとドイツも。

ということで、メールくださった皆さん、どうもありがとうございました。
わたしはまあ、こういう時はたいてい大丈夫です。パリでスリにやられるくらいです。

---------------------------------------

と、どたばたしつつも、帰国しました。
成田空港でポンドを両替して、出てきた千円札が、どうも見慣れない。
「これ、本物ですか」と思わず聞いてしまった私。ええええ、新札だって知りませんでしたよ。
恥ずかしい……。でもなんかオモチャっぽいデザインだなあ。

でもやっぱり日本はいいですね。おいしいものがたくさんある。
さっそくミョウガのお味噌汁なんぞをすすって幸せを実感しています。

ロンドンは耳に入る言葉が英語ばっかりってことはないし、場所によっては英語なんぞ
ぜんぜん聞こえてこないこともあるから、山の手線なんか乗ってて、みんなが日本語を
話しているのがものすごい新鮮だ。
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# by masala_days | 2005-07-14 20:44 | 旅なんちゃって

Buji desu

toruaezu watashi wa ie ni ita node buji.
soto wa kyu=kyu sha to police car ga zutto ikiki shiteite
totemo ochitsukanai desu.
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# by masala_days | 2005-07-07 22:06 | イギリス話

大英帝国の偉大な敗者

c0036998_017471.jpg
[Musse du Louvre, Paris 2005
そんな悩ましげなポーズをキメられても、困る……。芸術か、ポルノか。ルーブル、好きな美術館のうちのひとつ]

===============


さてテレビっこ爆心中のひめぽんです。

Big Brother、憎まれぶりっ子サスキアちゃんが先週抜け、
今週はいまいち面白みに欠けます。彼女は典型的な「女子に嫌われるキャラ」
で、近くにいたらヤだけど、番組的にはぜひ残ってほしかったのに。

秘密メンバーから正式メンバーに格上げされたベルファストのモデル、
オーラちゃんが自慢の人口胸(ちなみに豊胸はdo a boob jobと言う)を
ことあるごとに露出するので、サスキアなき後、男子からの絶大な支持を
得ているようです。彼女もいつも自分の装いにばかりかまけていて、
同性から嫌われるタイプなんだけど、サスキアよりやり手というか、
アコギな手を使いそうで、ひそかに期待しています。

毎週日曜日の Mock The Week(「週刊お笑いニュース」ってな感じ)という
番組も欠かさず見てる。日本で言うなら「笑点」みたいなノリで、何人かの
コメディアンがその週の主なニュースをmock(あざ笑う)という、なかなか
シニカルな番組です。

出演コメディアンがみんなすごい! 言語能力が高いというか、与えられた
お題に瞬時に反応していて、しかも見事にツボにはいるんだ、これが。笑点は
台本があると聞いたことがあるけど、この番組は完全アドリブだそうですよ。

たとえば、

お題)ライブ8の開会式で司会者が絶対に言わない挨拶

答え)「みなさーん、舞台裏で立食パーティーの準備が整ってま~す。キャビア、
スシ、ステーキなどなど色々取り揃えて……」

とかね……。日本でこんなこと言ったら問題になるよな……。

(注)ライブ8:ボブなんちゃらというロック歌手(?)が、今日開催されているはずの
首脳サミットに「Make Poverty History(飢餓を過去のものにしよう)」と、
アフリカの貧困問題をなんとかすべく働きかけようと主催したイベントで、マドンナとか
ピンクフロイドとか、ビッグネームがライブをやったらしい。ボブなんとかの宣伝ぶりとか
インタビューがすごいカッコ悪かったのでぜんぜん見てないんだけど。BBCもそれに
ひっかけて「アフリカ週間」みたいなのを組み、アフリカ関連いろいろ放送されてるらしい。

その他、

お題)ハリーポッターの新刊本の副題

答え)ハリーポッターと6人の不能の男たち
答え)ハリーポッターとうつ病の子役

とか(笑)。わたしこれで3分は笑っていたよ。

しかし、ああ、お笑いを「説明」しなきゃいけないって、もどかしいねえ。
たぶん、大阪の人が吉本のギャグを東京人に解説しないと分かってもらえないのに
似たもどかしさだ。

お題)No, No, No はとある人物の返事である。これは何のニュースか?

答え)あなたはゲイか? とブラッド・ピットに聞いた
答え)洞窟で「no」と叫んだとき、人の耳に聞こえるであろう音(←またも爆笑)

これはイギリスの政治家の誰かが何か核心をついて聞かれたときに激しく否定した、ってなニュースだったと思うんだけど、肝心の正解は忘れました、洞窟ネタが面白すぎて……。

コメディ・ドラマ(英語だとsit-com=situation comedyという)なんか見てても、
イギリスのものはどっかひねくれてるというか、ブラックというか、
人種差別もの、性差別もの、犯罪もの、とにかく「それをネタにしたらまずいのでは」と
思うようなネタを、シャラーっとやってのける。笑いのツボも一癖もふた癖もあって
わたしの英語力では分からない、難易度の高いものが多い。

アメリカのコメディも頻繁に放送されてるけど、こちらは思い切りストレートな分かりやすい
「ギャグ」で、お色気系のギャグ、転んだりする系のギャグ、とりあえず言葉があまり
分からなくても「笑える」ものが多い。

同じ英語圏なのに、「笑い」に関して、はっきり文化が分かれて面白いです。
ちなみにわたしは圧倒的にイギリス的笑いを支持しますね。
だって思い出し笑いの頻度がうんと高い。アメリカものはその場だけの浅い笑いというやつ。

そういえば先日、Great Britain's Great Losers(ちょっとウロ覚え、「大英帝国の
偉大な負け犬たち」みたいなタイトルだった)という番組を見た。
テニスのヘンマン選手とか、NASAに負けた火星探査プロジェクトとか、とにかく近年の
イギリスの「冴えなさ」、「ずっこけぶり」を事細かに紹介する内容。

アメリカだったら「アメリカはいかに偉大か」という番組はやっても、自国を自虐的に
笑う番組なんか絶対つくらないと思うんだけど、イギリスってば、
それを国営放送でやっちゃうからすごい。

最後のシメに、
「いかにも我が国は近年まことに恥ずべき失態ばかりである。でも我々には、それを
笑い飛ばすユーモアのセンスとしたたかさがあるのだ!」
とか、堂々と開き直ってました。そんなとこで威張ってどうするよ、イギリス。

では、
Mock The Weekのお気に入り芸人Hugh Dennisの最近一番ウケたネタ。

お題)女王陛下が年末の恒例スピーチで言わないであろうこと
答え)I'm not a "Killer Queeeeeeen!" (「わたしは『キラー・クイーン』じゃないわよーーーん」)

もちろん、ロックバンドQueen の有名な曲、Killer Queenにひっかけた答えです。
ちゃんと「queeeeeen」のとこはググググ~っと上がっていく裏声でした。
ちなみにKiller Queenって、「イカしたナウいナオン」ってとこでしょうか。念のため。
わたし、このネタでその日10回は思い出し笑いをしたね。

ってああ、ほんと、ギャグを説明するのってヤボですねーー。
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# by masala_days | 2005-07-06 22:45 | イギリス話

イギリス入国のすったもんだ

今回のパリ行きの本来の目的は、イギリスのビザを更新することでした。

正確に言うと、わたしは「Entry Clearance」なるものの学生ビザに相当する資格で
滞在していたのだが、その期限が6月末までで、わたしの希望帰国予定が
それより10日ほどあとなので、いったん国外に出て、一般の観光目的の日本人という
身分で再入国することが目的だった(日本国籍は観光目的ならビザなしで6ヶ月滞在が
可能なのだ)。

でねー、イギリスってさー、うるさいんだよねえ、入国が。

わたしってばここ1年あまりのあいだに数回イギリスに入国していて、
回数を増すごとに入国審査のハードルが高くなっていっている。
違法なことはなにもしていないし、こちらに非はまったくないのだけれど、
不法滞在やら移民問題を抱えるイギリス、近頃特に、
長期滞在する外国人をものすごーく警戒している。

審査官の横柄さ、微に入り細をうがったやらしい質問の数々、ひっかけ問題(!)、
アメリカとともにイミグレーションの感じが悪い国世界ランク3位以内に入ると思う。
知り合いがいるかとか、所持金はいくらかとか、そりゃ向こうも仕事だから
聞きたいことを聞いてもらって結構なのだが、なんせ態度が横柄だ。
こちらの英語力の問題とかじゃなく、ほんっとにエラソーなんだよね。

「ここで怒っても一文の得にもならないどころか入国できない」と思うからこそ
耐えられるものの、毎回毎回「あんたたち口のききかたを知らんのかオラァ」
と喉元まで出かかる。

前回は足元に紙切れかなにかが落ちていたので、誰かが何か忘れたのか
はたまたゴミか、と気になってふと下を向いたら、
「下を向くな! こっちを見ろ!」
とか怒鳴るですよ、審査官のオバちゃん……。
アータ、イギリス人なんだから「プリーズ」くらいつけなさいよ……。
もうほとんど囚人扱いですよ……。

うちの母親なんかが来るときは「観光でーす」とか言ってニコニコしてるだけで
ほとんど素通りだそうですがあー、わたしの場合、この年齢で独身で、
会社勤めじゃなくて、グループじゃなくて単身だとか、ま、色々不審なんでしょうねえ。
偽装結婚とかさ。でも日本人、偽装結婚なんかしないよ、日本国籍だけでじゅうぶん
過ぎる恩恵があるからね。医療だって社会保障だって日本のほうがずっといいからね、
わざわざイギリス国籍なんかとる必要ないんだよ! (と、一度ぜひとも教えてあげたいの
だが、どうせ聞く耳持たないであろう)。

そんなわけで、今回のフランス帰りもどうせひと悶着あるだろうと。
なんたって30日に期限切れで29日出国、1日に戻ってくるんだから、まあ
そりゃアンタ、目的ミエミエですがな、いぢめられないほうがおかしいというもんだ。

というわけで、かなり警戒して臨んだ今回のイギリス再入国。
ユーロスターは乗車前にパリの北駅で審査を済ませることになる。

このためにわたしはわざわざヒースロー空港くんだりまで往復3時間もかけて出かけ、
航空券に帰国日を明記したステッカーを貼ってもらったのだ。
その他、借りているフラットの賃貸契約書(契約が切れる日が書いてある)も用意し、
クレジットカード類も全て持ち(が、これは盗まれたので警察の証明書がせめてもの
代わり……)、帰国してからすぐバンコクに行くのでその航空券も念のため持ち、
「オラオラオラあたしゃ本当に本当にあと10日で出国するんだからね! 別に働いたり
してるわけじゃないからね(働いてるけど、合法範囲)! ちょっと余分にホリデイが
欲しいだけだからね!」と全身から気を発するように努めてみた。

ところが、今回の審査官はいままで会った人々とは全く違った。
紳士、ジェントルマーン、冷静穏やか、わたしをいぢめようなどというヤラシイ視線を
まったく感じさせない、すごくいい人!

「学校はもう終わったんだよね」
「はい」
「なんでまた戻るの」
「ずっと勉強ばかりしていて観光をほとんどしてないので、帰国する前にぜひロンドンの
あちこちを見てみたいからです。ロンドン塔とか、キューガーデンにも行ってみたいし、
湖水地方にちょっと行って、あとはバースとストーンヘンジにも」(←つっかえないよう、
バッチリ練習してあった)

などなど、資金のこととか、泊まる場所、とお決まりの質問が続いて、ひとこと。
「この日には必ず帰国するんだよね?」
その目は「ノーと言うな」と言っている。すべてお見通しだけど、
下手になんかいったら向こうも質問せざるを得なくなる。だから、ここは素直に
「イエスと言えよ」という無言のメッセージを感じましたねー。
もちろん「ええ必ず帰りますです長居はしませんです」と答えておいた。

ほんとは戻ってくるんだけど、それはまた東京で正式にビザを取り直してからの話なので、
この場でそんなよけいなことは言わんでいいのだ。
おっちゃんは「うん、じゃあわかった」と頷いて、ポンっと入国スタンプを押してくれましたとさ。
しかもこういう時って、渡航の記録がすぐに分かるように、余白があるかぎり前回のスタンプと
同じページに押すものなのに、なぜか別のページをわざわざ選んで押してくれた。
これってなにかの親切なのかな。あんまり関係ないか。

ニコニコ愛想のいい人じゃなかったけど、遊び心のある、ものの分かったいい人でした。ホッ。
所用時間約3分。最短記録! (でも他の人は30秒くらいで抜けている)。

ま、ユーロスターのイミグレーションは2個しかカウンターがないし、うしろに長蛇の列が
待ち構えていたから、向こうもあんまり揉めてる暇がなかっただけかもしれないけど。

帰国したらパスポートの更新が待っている。ああ嬉しいなっと。
10年くらい前だったらパスポートがスタンプやビザで埋められていくのが嬉しかったのかも
しれないけど、今となっては、真っ白で汚れのない初々しいパスポートがひじょうにうらやましい。
なんせ、どの国に行っても、補填したページもすでに残り少ないわたしのパスポートは
貫禄がありすぎて、なんぞ言われる羽目になるのだ。

新しいパスポートを持てると思うと、へんなたとえだけど、今までの犯罪歴がチャラになるような、
妙なうれしさがある。きれいな身体に戻りました、みたいな(笑)。

イギリスのビザは申請時に過去のパスポートも一緒に提出させるから、ま、
渡航歴を隠すことはできないんだけど、入国のときの胡散臭さは減るでしょう。ああたのしみ。
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# by masala_days | 2005-07-05 22:09 | イギリス話

スリの都パリで家捜しのていたらく一部始終

行ってきました、パリ。5年ぶりです。
しかしフランス、いつ行ってもいい思い出がない。
2年前の南仏、せっかく40キロも自転車をこいでダーリンに会いに
いったのに、うっかり浮気現場に踏み込んでしまったとか、痛い思い出ばかりである。

今回はユーロスターで北駅に到着後10分でお財布をスラれました(泣)。
メトロの改札でもたもたしてるところへ、誰もいなかったはずの背後に突然人影が
近づき、改札抜けて即バッグを点検したらきれいに財布だけ抜かれていた。

旅行者癖というのか、改札抜けるときとかエスカレーターにのるとき、
ふと後ろを振り返るんですよ、いつも。で、このときも振り返った。
人影の少ないガランとした空間に、黒人の背の高い青年がちょっと
唐突な感じで柱のところに立っていて、なぜかバッチリ目があったんだよね。
なんか違和感があった。

はい、彼が指示係兼見張りです。
で、私が荷物を改札に通そうともたついている数秒のあいだに
黒人の太ったおばさんが突然後ろに出現していて、たぶん彼女が抜き取り係。
そして私がなんとか改札を抜けようとしているときに隣の改札を、これまた突然出現して
抜けていった黒人の青年(最初の男と同一人物かも)が、おばさんから財布を受け取り、
何食わぬ顔で立ち去ったというわけです。もしかしたら他にもリレーしていた仲間が
いたかもしれない。

と、ここまで分かっていながら、抜き取られるのを防げないのは間抜けとしか
いいようがない。「やられた」と分かってもすぐには身体が反応しないもので、
その場で複数の怪しい人々を追いかけるところまではいかないんだよね。
はぁ。

この直前に窓口で切符を買っているときから目をつけられていたんでしょうね。
荷物を持ってるなら改札でひっかかるのは明白だから、もう飛んで火にいる
カモって感じだったんでしょう。
はぁ。

私も私で、ロンドンから数時間のパリは旅行のうちに入らないというか、
ちょっとお出かけするだけのつもりで、バックパッカー時代の腹巻とか、
現金を分散して持つとか、そういうことを一切せず、ごく普通のお買い物スタイルで
出かけたのがもうすでに間違いでした。

財布の中身。クレジットカード2枚と現金60ポンド(約1.2万円)、直接海外のATMで
貯金を引き出せる日本の銀行の国際カード、これがもう最重要。

メトロの乗り放題切符はカードで買っていて、ユーロはあとでおろすつもりだったので
ユーロ現金はなかった。あとは期限切れの免許証とか、カムデン地区の
図書館カードとか、携帯のtop-upカードとか、別れた男の捨てるに捨てられなかった
写真とか、証明用写真が10枚くらいとか、母親が神社で買って送りつけてきた
良縁結びのお守りとか、美容師さんの名刺とか、なんかいろいろゴチャゴチャ入っていて
ものすごくいっぱいお金の入っていそうな分厚い財布なのに収穫は60ポンドのみで、
スッたほうもさぞ拍子抜けしたことでしょう。見慣れぬポンドに戸惑うがいいわ(負け惜しみ)。

幸いパスポートと帰りの切符は無事。携帯も日本のとイギリスの両方とも無事。
メトロの切符もあるのでとりあえず移動はできる。ただし現金は一銭もない。
すっかり電波少年の気分である。

とりあえず駅の警察に盗難証明書を作成してもらい、その間に、日本にいる知人の
編集者Yさんにカード会社の盗難届け用の番号を調べてもらおうと電話したら、
頃はちょうど夏の夕暮れ、私を知っている人々ばかりが何人も揃ってビアガーデンに
いらしたところで、「パリから間抜けな電話をしてきた」と格好の笑い者になってしまった。
うえーん。

おまけに警察官の質問ってば。
「あなたの職業は」
「添乗員です」
「え、今、グループと一緒にいるの」
「いえ、今回は自分のホリデイです」
「ああそう。ふーん、添乗員もスリにやられるんだねえ。ふーん」
その後、彼は隣室に行き私をネタにして同僚と大笑いしている。
わたしゃーフランス語は話せないが言ってることはわかるんだよ。
そうだよいつもお客様に「みなさーん、ここはスリが多いですから、
バッグはしっかり前に抱えてくださいねー」とか、「貴重品は持ち歩かないで
くださいねー」とか声を大にして言ってますよ、ええええ、ふん。
うえーん。

今回のパリは、ロンドンに留学中の韓国人の友達がパリに借りたままになっている
アパートに滞在する予定で、彼女から鍵を借りてきていた。
警察への報告とカード止めが完了後、さっそく彼女の地図を頼りにアパートへ。

エレベーターなしの6階、すきっ腹を抱え、ステキにアンダーグラウンドな雰囲気の部屋につく。
とりあえずは現金を調達せねばなるまい。前日はロクなものを食べておらず、朝も早かったので何も食べず、ただひたすらパリについたらあれを食べようこれを食べようロンドンと違って
フランスは食べ物だけはうまいんだもん、と期待に胸を膨らませていた矢先の一文なしである、
痛いよなあ。

選択は3つあった。

その1)妹の知人のチュニジア人が一家をあげてパリに移住してきているので
彼らに泣きつく。ただし彼らは不法滞在の身で、潤沢にお金を持っているとはいえず、
おまけにイスラム教徒なので、絶対に困っている私を放ってはおかず、あれこれ
世話を焼いてくれることは間違いない。

その2)インド在住のアキオくんのお姉さんが結婚してパリ郊外に住んでいる。
アキオくんに電話したら、転がり込んでもよい、とのこと。

その3)アパートを貸してくれたロンドンの友人に誰かお金を貸してくれそうな人を
紹介してもらう。

どれもこれもみんなステキに全然知らない人ばかりに頼ることになる。
1)はやっぱり、避けたい。2)は郊外に行く列車代を払えない。
番外編として在パリ日本大使館に泣きつくという手もあったが、なんせ私のパスポートは
スタンプだらけである。大学生ぐらいの初々しい旅行者ならともかく、もういかにも
旅行しまくってます、というパスポートを持ち込んで金貸せとはよう言わん……。
ということで、3)。ロンドンにいる友人に電話。

「あのねえ、北駅で財布スラれちゃったんだけど、誰かお金を貸してくれるような
優しい友達、いない?」
一瞬の無言のあと、友人は静かに言った。
「……まずは落ち着くのよ」
「はい」
空腹の限界で落ち着くどころか気力萎え。
「キャッシュは、私の部屋に、ある」
「え、ほんと?」
突然、心はウキウキである。
「冷蔵庫にキムチの素も、ある」
「うわーい!」
「棚を探せば、パスタと米もあったはず」
「おお!」

そして友人は、そのキャッシュは彼女がお金を貸した他の誰かが部屋に隠していったので、
彼女は詳しい場所は覚えていない、よって自力で探すように、と言った。
どこか本の間に挟んだらしい、とのことだったが、彼女はソルボンヌ大学でドクターを
とった才媛である、本とひと言で言ってもアータ、壁一面が本で埋め尽くされていて、
ざっと見ても200冊はくだらないですよ。ひぃぃぃ。

そんなわけで、花のパリに到着して数時間、私がしたこととは、
他人の家に上がりこみ、あっちこっちひっくり返して泥棒の真似事である。
人間、ハラが空くとどんなことでもためらいなくできるものである。

最初は片っ端から本を開いていたのだが、途中で気がついた。
本棚の前に椅子を運んできて、上から本を眺める。
お金を挟んであるなら、ページとページの間が膨らんでいるはず。

はたして、あったよありましたよ300ユーロ。立派な専門書のあいだに!

そんなこんなで現金も手に入れ、なんとかお腹も満たし、しかし
その時点で疲れきっていたのでパリだというのにどこへも出かけず、
わたしはひたすら眠りを貪ったのでありました。

そうだ、キムチの素はローストチキンに添えたらすごくうまかった。
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# by masala_days | 2005-07-04 23:23 | 旅なんちゃって

Big Brotherにはからずもハマるの巻

さいきんすっかりテレビっこです。
いろんなアクセントを収集でき、実際にリスニングの補強にもなるので……、
うんぬんという言い訳はともかく、うーん、テレビ、おもしろいなあ。

というわけで、今、毎日欠かさず見ている番組といえば、
Big Brother でございます。

これはたぶん日本でいうなら「あいのり」みたいな(って見たことないから
わかんないけど)感じで、一般ピーポー参加者型のエンターテイメントです。
数年前から毎年やってる夏の恒例番組らしいです。

内容は、オーディションで選ばれた若者たちが、テレビ局が用意した家で9週間に
渡って共同生活をし、その模様が毎日毎日逐一しつこく放送される、というもの。
で、ハウスメイトたちの投票で、毎週2名を指名、金曜日に生放送の一般投票で
その中のひとりを追い出していく。残った人が賞金を獲得! で、この賞金が、
忘れたけどけっこうな額なんだ。

ただの一般人が毎日だらだら過ごすのを見て面白いのか?
という疑問を誰しもが持つと思う。私も思った。

が、面白いんですよーこれがあー。
一般人とはいえ、揃った面子がどれもアクの強い、一筋縄ではいかない人々で、
軟禁状態のなかで繰り広げられるさまざまな駆け引きが、うーん、馬鹿馬鹿しいと
いえばそれまでだけど、面白いんですよ。

こういう「一般ピーポーの語りで持つ番組」って、アメリカ発祥なのかな。
あの有名なオプラ女史の公開相談番組みたいな感じで。

イギリスも、BBCをはじめとしてかなり多くの番組が、有名人でもコメンテイターでも
なんでもない、ただの人にテレビカメラを向けてなにかもっともらしいことを言わせる
作り方をしている。
石鹸DOVEのコマーシャルみたいな番組(あれは一応役者さんがやってるんだろうけど)が
いまや王道なわけです。

で、欧米の一般人というのは、人前で堂々と自分の意見を、それがいかにヘナチョコな
理論であろうと、さも天下に通用する正しいことのように声高らかに述べるのがうまい。
「私はこう思う」ということを迷いなく自信満々に述べられる(あるいはそのようにふるまうこと
が正しいと教育されてきた)人々なのだ。

Big Brother の参加者たちも、誰がどうしたこうした的な、あーだこーだとくだらんことを、
いかにも重大事項のように話している。「告白部屋」というのがあって、ことあるごとに
参加者はそこに入ってカメラの前で声だけの存在のBig Brotherとやりとりをするんだけど、
それがまあことごとく埒もないことなのに、いかにもそれらしく語られるとついつい聞いちゃうのだ。

で、番組自体、いろいろな仕掛けがあって、飽きさせないようにつくられている。
週のテーマ、たとえば「病人week」とか「監獄week」を決めて、みなそれぞれ自分に
課せられた役割を演じなければならない、とか。
先週末、4人目のハウスメイトが強制退去させられたあとで、あらたな仕掛けが投入された。

「秘密ガーデン」にハウスメイトには内緒で3人のメンバーが追加されたのです。
で、この3人、ハウスメイトにバレないように潜伏しなければならないの。
服も食べ物も支給されないので、夜中に本部屋に忍び込んで、盗んでこないといけない。

昨日はその絡みで、ハウスメイトに支給されるはずだったお酒が消えたので、
その行方を巡って壮絶な喧嘩が発生! いやー、エキサイティング!

……と、私は毎日テレビっこと化しているわけです。
あほらしい、でもやめられない。
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# by masala_days | 2005-06-28 22:05 | イギリス話

料理好きバトル

月曜日、ああ月曜日。みんなちゃんと仕事しよう。
定時に来よう。約束は守ろう。私語より仕事しよう。
この国は働く人に甘すぎる。ムカムカムカ……。

と、いうわけで、どこかに行きたいなどと甘ったるい、地に足のつかないことを
いつまでも言っている暇はないのである。
夢見る乙女は金曜~日曜の週末限定の遊びなのだ。

ところでうちの先生は料理好きである。
イタリアに5年間住んでいたというだけあって、パスタなんかつくらせると
あっという間に涙が出るようなうまいものを出してくれる。
先週の猛暑のなか、気力ゼロのわたしに熱帯果物をミックスしたスムージーとか
与えてくれたし。女心をつかむにはfeed(えさを与える)が一番である。ああ、
餌付けされているわたしってば。最初にいろいろつくってたのは私だというのに、
いつのまにかミイラとりがミイラである。

で、先生、日本茶数種を取り揃え、急須とかスノコとか箸とか、日本アイテムを隠し持つ
日本好きでもある。
しかし、「日本料理って見た目がシンプルだから、薄味で飽きるような気がするんだよね」
と今まで巻き寿司以外の日本料理をつくったことはない、というので、
その誤解を解くべく、英語で書かれた栗原はるみさんのレシピ集を誕生日にさしあげた。

それ以来、ほうれん草の胡麻和えやら、ひじきのサラダやら、照り焼きサーモンやら、
きゅうりとわかめの酢の物やら、抹茶あずきゼリーやら、よくまあアナタつくるわね、
という勢いで日本食に傾倒しきっている。
いうのもシャクだが、私よりいい腕をしている。現物を食べたことがないくせに、
きちんとポイントを押さえて普通にうまいものをつくる。勘がいい。

「日本料理はすごい。ものすごく簡単なレシピなのに、結果はあっと驚く味の新境地だぞ」
などといい、週末は小豆を煮て漉し餡をつくり、大量のおはぎをこさえ、新茶とともに
味わって、「うーんナイス」とか呟いてました。ちなみに私はおはぎが嫌いなんですがー。

今日は昆布とかつおぶしを与えて(鶏だしはどうもクドイのだ)、あっさりめのけんちん汁でも
つくっていただこうかと画策している。出汁巻き卵とかもぜひ食べたい。

いやー、便利ですねえ、こういう人が身近にいると。
わたしゃーすっかり料理しなくなりましたよ。
たまに一緒に台所に立っても、なぜか「どっちがうまいものをつくれるか」という
バトルになってしまうので、もう喜んでシェフの座を譲ってあげるのだ。

イギリス人とは思えない食へのこだわりぶり。いやー、以前一緒に暮らしていたイギリス人が
まさにイギリス的に「食べ物イコール燃料」くらいの認識しかない人だったんで、
先生みたいな人にあたると、まさに隔世の感がありますねー。って、あはは。

なにはともあれ、一緒にあれやこれやと料理をつくって「うまいねえー」とか
なんとかいいながら過ごす週末は、なんとも楽しいものだ。
「食」が人生の優先順位の上のほうにくる私にとって、これはほんとうにありがたいこと。

っていうか栗原さん、あなたのレシピは簡単だけどおいしくて、すばらしい。
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# by masala_days | 2005-06-27 20:29 | イギリス話

結婚にまつわる微妙な線引き

まあ年齢が年齢なので、周囲が結婚したの出産したの、というのは
身近な話題ではある。

なのだが、「結婚というものは人生のとても重要な要素で、それを欠いては
やはり人間としても不完全である」という認識を持っている同じ年代の人が
自身の結婚を報告するときに、

「私でもできたから、あなたも大丈夫」

などと書くのは、なるべく見なかったことにするものの、やっぱりちょっと傷つくのである。

やっぱ私ってただの中途半端ヤロウなのかしら、というドツボにはまる。
結婚だって普通にしたいし、子供も欲しいけど、どちらも持っていないから
といって社会的に落第点の位置づけをされるのは嫌なのだ。
だって私そんなにダメな人じゃないもん。
ちょっとバカかもしれないけどさ。

ま、あまり悠長なことはいってられないのは分かる。

でも、自分ではどうにもできない部分が多すぎて、そこを咎められるとかなり厳しいものがある。
まあそれでも賢い人は31歳なんかになるもっとずっと以前からきっちり計画を立て、
貯金をし、税金を払い、人生設計をしているものなのでしょうが。

男運が悪い、と嘆く私に、友人いわく、
「あんたは選ぶ相手が悪い、『恋多き』なのはいいとしても、誰一人として現実的に未来の夫につながらんような相手を選ぶ」
だそうですよ。はぁ~。

でも私は負け犬なんかじゃない。
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# by masala_days | 2005-06-24 22:17 | Life Isn't All Ha Ha

どこかに行きたい病

中南米系、はじけ具合も落ち具合も天下一品の恭子さんとキャンプに行くことになった。
もとい、彼女らが行く車に滑り込みセーフでムリヤリ便乗させてもらうことになった、
という方が正しいか。
そんなわけで近々一時帰国します。

しかし、ロンドン。今週はずっと蒸し暑い。
おかげで夜よく眠れず、体調もどこか不調である。
何かがおかしい、絶対おかしい。
去年の夏も暑かったけど、これほどではなかった。

この蒸し暑い空気というのは、何かこう、わたしの旅心を誘うものがあってだ、
困るんだ、かろうじて均衡を保っている日常に旅情が入り込んでしまっては。

ジャワ島、ジョグジャカルタ。ガムランを聴きにソロの宮廷まで出かけていく。
ゆったりしたリズムの、繰り返し繰り返し襲ってくるラインに沿って、
うつらうつら、夜風に吹かれながら船をこぐ。
バイクのバックシートで満月を仰ぎ見ながら深夜、ジョグジャカルタに戻る。
誰もいない大通りでひっそり営業している深夜営業のミルク屋台で、
定番「卵はちみつ牛乳」をグビリと飲む。

なぜだか知らないが、ジョグジャでは夜になるとミルク屋台が出る。
滋養強壮効果が期待されているらしく、「これから頑張るぜ」ってな風情の
おじさんお兄さんたちが、ちょうど日本のおじさんが栄養ドリンクを一気飲みする
ような感じで立ち寄っていく。

屋台のお兄ちゃんがスナフキンにニヤリと意味ありげな笑みを投げかけて、
私には厳かに栄養たっぷりの飲み物を手渡す。
そういう目で見られてるのは慣れていたけど、われわれは今も昔も清い仲だ。うん。
しいて言えば、秘密の共犯関係とでもいいましょうか(好きだね私も)。

そんな感じで、空気とか、匂いとか、湿気とか、そういうものによって鮮やかに
浮かんでくる景色というものがあって、なんか、もう、たまらんのですよ。

季節の変わり目にふと何かいつもと違うものが潜んでいる気配がする。
ビバ! 非日常。
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# by masala_days | 2005-06-24 21:32 | 旅なんちゃって


20代の暗黒時代をインドとイギリスその他あちこち季節移動し続け、30代、やっと日本国で社会復帰。8か月の産育休を経て、現在、働くかあちゃん。オットの不在中に衝動買いしたマンションの借金返済に勤しむ


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