心にしみる歌

c0036998_7152274.jpg[リバプールストリート駅の果物売り 22OCT2005]

ちょっと前のこと。ロンドン北部の友人の家に遊びに行った帰り、夜もいい加減更けた時間、郊外列車に乗ったら、私の隣の隣に黒人のおじいさんが乗っていた。ぼろぼろの、一応は背広、そうだ、スーツじゃなくて背広というにまさに相応しい服を身に着けた小柄なおじいさんが、小刻みに膝でリズムをとりながら、歌を歌っていた。

何語だかさっぱり分からなかったけど、おじいさんの風貌からして、アフリカのどこかの言葉だと思う。わたしが勝手に想像するところの、陽気で力強いアフリカじゃなくて、どこか物悲しいメロディの歌だった。周りに気を使っているのか、本当はもっと出せるのに少し抑えた感じの声量だった。

向かいの黒人のおねえさんも、隣のインド系のおにいさんも、そして私も、「なんでここで???」と思いながらも、おじいさんの歌に漂うただならない郷愁の思いに、きっと同じ思いでいたと思う。

おじいさんは時々、隣のインド系青年に何事か話しかける。
青年、おじいさんの言葉は聞き取れないらしいものの、ふた言み言、言葉を返す。

インド系青年が降りて、その次の駅でおじいさんも降りた。
ちんまりしたおじいさんの背中が、暗いプラットホームにすーっと消えていった。

薄暗い郊外列車の車内で、疲れてぼんやりした頭で、私は確かに行ったこともないアフリカの空とか空気みたいなものを感じたんだよね。

いろんなことから取り残されていくけど、清く正しく前を向いて背筋を伸ばして生きていこうと思う。……なんか青臭いなあーーーー。
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by masala_days | 2005-10-23 07:22 | イギリス話


20代の暗黒時代をインドとイギリスその他あちこち季節移動し続け、30代、やっと日本国で社会復帰。8か月の産育休を経て、現在、働くかあちゃん。オットの不在中に衝動買いしたマンションの借金返済に勤しむ


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